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「箒星〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

箒星の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
しで、以前ほど悲しい記憶はなかったまでも、私自身打ち殺した小夜《さよ》の面影が、箒星《ほうきぼし》の尾のようにぼんやり纏《まつ》わっていたのに相違ございません。....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
い出しても、敬太郎から見ると、すべて森本の過去には一種ロマンスの臭《におい》が、箒星《ほうきぼし》の尻尾《しっぽ》のようにぼうっとおっかぶさって怪しい光を放って....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を企てたものと後に判った。 やはり其の年の秋と記憶している。毎夜東の空に当って箒星が見えた。誰が云い出したか知らないが、これを西郷星と呼んで、さき頃のハレー彗....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
すがたを見つけて、それを何かの暗示に結びつけるように、寿平次にさして見せた。 「箒星ですよ。午年に北の方へ出たのも、あのとおりでしたよ。どうも年回りがよくないと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て来るたびに、彼の周囲にある宿役人から小前のものまで仕事もろくろく手につかない。箒星一つ空にあらわれても、すぐそれを何かの前兆に結びつけるような村民を相手に、た....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
面倒な闘いにお相手になる必要はなかったのだ。どうせ自分自身は電子か何かになって、箒星のお先走りでも承るつもりでいたし、一切の財産は軽少ながら、この真相の発表に対....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
火になって空から落ちましたが、それが地にとどくまでに、夕方になったので、流れ星や箒星《ほうきぼし》と間違えられました。しかし、あくる朝、その辺に住む人達が働きに....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
と学者と倒幕浪士との握手であった。 そのころ、毎夜|戌亥《いぬい》の空に一つの箒星《ほうきぼし》が現われて、最初は長さ三、四尺で光りも弱いが、夜のふけるにつれ....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
を企てたものと後に判った。 やはりその年の秋と記憶している。毎夜東の空に当って箒星が見えた。誰がいい出したか知らないが、これを西郷星と呼んで、先頃のハレー彗星....
熊手と提灯」より 著者:正岡子規
向うを見ると遠くの屋根の上に真赤な塊《かたまり》が忽ち現れたのでちょっと驚いた。箒星《ほうきぼし》が三つ四つ一処に出たかと思うような形で怪しげな色であった。今宵....