算段[語句情報] » 算段

「算段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

算段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
のは妙に恐ろしい気を起こさせるものです。僕はもちろんできるだけ、だれにも会わない算段をしました。が、我々人間にもいつか次第に慣れ出したとみえ、半年ばかりたつうち....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
りで三味線《しゃみせん》を弾《ひ》いたり踊ったりする、その割《わ》り前《まえ》の算段さえ一時はお松には苦しかったそうです。しかし半之丞もお松にはよほど夢中になっ....
或る女」より 著者:有島武郎
み込むと同時に、その人の資本の一部を動かして、日本との直《じか》取り引きを始める算段であるという事、シカゴの住まいはもう決まって、借りるべきフラットの図面まで取....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
。そうしておまえさんこれからどうするつもりなの?」 「どうといって、やっぱり食う算段さ。高岡に彷徨《ぶらつ》いていたって始まらんので、金沢には士官がいるから、馬....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
前の実生活にもその影響がない訳ではない。これからのお前は必然によって動いて、無理算段をして動くことはない。お前の個性が生長して今までのお前を打ち破って、更に新し....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
るりと廻った。岸の方へ寄るでねえかね。 (えら!気の疾え先生だ。さまで欲しけりゃ算段のうして、柳の枝を折ぺっしょっても引寄せて取ってやるだ、見さっせえ、旅の空で....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
五、五一三六七八九。」と、饂飩の帳の伸縮みは、加減だけで済むものを、醤油に水を割算段。 と釜の湯気の白けた処へ、星の凍てそうな按摩の笛。月天心の冬の町に、あた....
出奔」より 著者:伊藤野枝
もなくついと出てしまった。福岡まで出てきて、叔母の家へも友達の家へも足りない金の算段をするつもりで訪ねた。しかしとうとういい出し得ずに止めてしまった。金が出来な....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
舎|気質の赫と逆上せた深嵌りで、家も店も潰した果が、女房子を四辻へ打棄って、無理算段の足抜きで、女を東京へ連れて遁げると、旅籠住居の気を換える見物の一夜。洲崎の....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、さしみの……」 と莞爾する。 「おさらいは構わないが、さ、さしあたって、水の算段はあるまいか、一口でもいいんだが。」 「おひや。暑そうね、お前さん、真赤にな....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
た。勤労に堪えない。静養かたがた女で間に合う家業でつないで、そのうち一株ありつく算段で、お伽堂の額を掛けたのだそうである。 開業|当初に、僥倖にも、素晴らしい....
」より 著者:井上紅梅
爺から出る二十五両の雪白々々の銀をそっくり乃公の巾著の中に納めて一文もつかわねえ算段だ」 小栓はしずしずと小部屋の中から歩き出し、両手を以て胸を抑えてみたが、....
狂女」より 著者:秋田滋
分から進んで起きんようじゃったら、吾輩のほうにも考えがある。厭でも独りで歩かせる算段をするからな」 しかし彼女は身動きひとつしなかった。相手の姿などはてんで眼....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
いてくるので、儀作の方で参ってしまい、前後の考えもなく、洗いざらい、そのやりくり算段を報告した。 ところでそこに問題が孕んでいたのだった。それと言うのは、事変....
雪柳」より 著者:泉鏡花
と云うのも、年を取ると、口惜いが愚痴に聞える。 ふけた事をいって、まず遊ばない算段をしながら、川添の電車道を、向う斜めの異な横町へ入って行く。…… いきなり....