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「箱入り娘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

箱入り娘の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
出したのである。環境のせいか、不良じみて、放浪性も少しはある娘だったから、貴子は箱入り娘の家出ほど騒がなかったが、しかしひそかに心当りは探してみた。そして空しく....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はだしの人気なんだから、ひょっとするとなんですぜ、だんなに首ったけというどこかの箱入り娘が、ご番所の名まえをかたって、だんなを道行きにおびき出したのかもしれませ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でありました。 「あら! 少しこれじゃ役割がひどうござんすのね。あたしを使って、箱入り娘にでもつけぶみをさせるんでござんすか」 だから、お由はすぐとそう取って....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
笑った。「そのときにお前が背中を流してやったか。容貌《きりょう》は好し、年ごろの箱入り娘の肌ざわりはまた格別だからな。とんでもねえ粂《くめ》の仙人が出来上がった....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
嬢が、島田髷《しまだまげ》で、黄八丈《きはちじょう》の振袖で演壇にたって自由党の箱入り娘とよばれた。さびしい晩年には小説に筆を染められようとしたが、それも病のた....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
。優雅、貞淑――そういう社会に育ったには似合わぬ無邪気さ、それは大家《たいけ》の箱入り娘と、好人物の父との賜物である。一本気な持前《もちまえ》も、江戸生れの下町....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
しい旅廻りの寄食浪人などばかりに囲繞かれ、陰欝な屋敷に育って来た者は、型の変った箱入り娘というべきであり、箱入り娘は、最初にぶつかって来た異性に、全生涯を委かそ....
ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
さんが頼りにしていられる唯一人の娘さんでございますから、それはもう、文字通りの、箱入り娘でございまして、どこへ行かれるのにも、お母さんがついて行かれ、決して、一....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
とすると、決まって飛んだ失敗をする。 僕は生まれつき、臆病な、風邪をひきやすい箱入り娘なのに違いない。 *30 故郷はない。それなのに、僕は己の故....