箱書[語句情報] »
箱書
「箱書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
箱書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
持ってきてくれたのでござりまするが、途中でまにあわせに買いととのえたもので、まだ
箱書きがしてございませんからと申しまして、鳶頭が箱だけを――持ち帰ったのでござり....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るが、用人の話と忠三郎の話とを綜合してかんがえると、その図柄といい、表装といい、
箱書《はこがき》といい、どうもそれが稲川家の宝物であるらしく思われてならなかった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を列《なら》べているのではない。大名旗本や大町人のところに出入り場を持っていて、
箱書付きや折紙付きというような高価な代物をたくさんにたくわえているのであった。 ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
たのは、一つの古びた面箱でした。 「これはさるお旗本のお屋敷から出ましたもので、
箱書には大野|出目の作とございます。出どころが確かでございますから、品はお堅いと....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
ア彼奴の志に対して済まないとは思いましたが、清兵衛は無筆で、自分の細工をした物の
箱書は毎でも其の表に住居いたす相撲の行司で、相撲膏を売る式守伊之助に頼んで書いて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
で、めぼしい器物という器物は皆土蔵の中に持ち運んである。皿何人前、膳何人前などと
箱書きしたものを出したり入れたりするだけでも、主婦の一役だ。 ちょうど、そこへ....
「旧作」より 著者:上村松園
、一時代の大家となる人」 と思わせるものがあります。 でも、ずっと以前の作が
箱書に廻り、それが拙い絵であったりすると、 「これはどうも……何しろ若描きも若描....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
にある上は六歌仙の軸もなくちゃならねえ」 見廻す鼻先に墨踉あざやかに、六歌仙と
箱書きした桐の箱。 「有難え!」 と小脇に抱え忽ち部屋を飛び出したが、出合い頭....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
た。嘲笑ったのである。 「まさか、こんな所に天国が!」 しかも彼の眼は、刀箱の
箱書きの文字に食い付いているのであった。 彼が天国の剣に焦がれているのは、親譲....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
の知人|朋友も亡くなって行く中、彼の観音はめぐりめぐって去年の秋のこと、或る人が
箱書をしてくれといって持って来た作を見ると、それが合田氏に贈ったその観音でありま....
「迷彩」より 著者:上村松園
、別の色をかけたのや、酷いのになると、模様を書きこんだのやがあります。それをよく
箱書してくれといって持って見えます。そんな時に私が、それを発見することになる訳な....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
舞伎座で更に「助六」を上演した。このときの一番目は「富貴草平家物語」、二番目は「
箱書附魚屋茶碗」で、「助六」はやはり中幕に据えられていた。一番目は黙阿弥作の「重....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
のを見たことがない。相当有名で伝わるお茶人の書というものその手紙に見るも、器物の
箱書に見るも、竹花入れ茶杓に書かれた字に見るも、俗書の多いのには驚くばかりである....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
、古幅の真偽もだいたいわかり道具にも一通りは眼利きである。望まれれば、茶人らしく
箱書ぐらいは俗書を脱して楽しみとなる字が書けるまでに至ってこそ当然なりとなって来....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
零落いたしましたが、これは親父が上より拝領したもので、替箱が有り、二重三重の函へ
箱書付も附いて居たものが、どういう事で斯様なことになりましたか頓と分りませんけれ....