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箱根細工
「箱根細工〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
箱根細工の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
り》は閉口しながら渓流《たにがわ》に沿うた道を上流《うえ》の方へのぼると、右側の
箱根細工を売る店先に一人の男が往来を背にして腰をかけ、品物を手にして店の女主人の....
「新生」より 著者:島崎藤村
おてがみを下さい。さよなら――泉太」
これは岸本が志賀の友人に托《たく》して、
箱根細工の翫具《おもちゃ》を留守宅へ送り届けたその礼であった。手伝いする人があっ....
「道標」より 著者:宮本百合子
そんなに日本語が上手になったの?」
やがて、すっかり話題をかえて伸子がきいた。
箱根細工から思いがけない物思いにひきこまれかかっていたドーリヤには、伸子の日本語....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
御殿を建てましたが大した評判でげしたよ。ソレアあっしが船の中で退屈|凌ぎに作った
箱根細工のカラクリ箱が、まだ博覧会の初まらねえ中にスッカリ売約済みになる。六の親....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
簀張の茶店に休むと、媼が口の長い鉄葉の湯沸から、渋茶を注いで、人皇何代の御時かの
箱根細工の木地盆に、装溢れるばかりなのを差出した。 床几の在処も狭いから、今注....
「斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
の間にも見当らない。下駄を穿き、 「まだかい」 とせき立てる。愛は戸棚の、小さい
箱根細工の箱から、銀貨、白銅とりまぜて良人の拡げた掌の上にチリン、チリンと一つず....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ちも継母が来てからは賑《にぎ》やかになった。この継母が来た時私に土産にくれたのは
箱根細工の菓子箪笥で、どの抽斗《ひきだし》をあけても各々菓子が這入っていたので、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ばあさんのくれた四角い台を出していて、その上には諸国土産が一揃いのって居ります、
箱根細工の箱のハガキ入れ(稲子さんみやげ)鵠沼の竹の鎌倉彫りのペン皿(小原さんと....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
のだ。所が腰羽目の寄木細工に一ヶ所|手垢のついている所がある。ふと思いついたのが
箱根細工の秘密箱さ。そこでいろいろやって見ると、板の合せ目が少しズレて、そこへも....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
貌、外側の非常によく見えるように理知的に工夫する。例えば極端な例をあげましたら、
箱根細工のようなものは、ちょっと出来ないような木を組合わせた緻密な細工がしてあり....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。その市外および海州には樹木鬱然として、幽邃を極む。実に避暑の良地たり。市中には
箱根細工のごとき木細工を販売する商店多く、また古器物店もすくなからず、わが日光お....