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箱馬
「箱馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
箱馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
るし》塗りの橇を御した、いなせな高級馭者がひっきりなく往来し、馭者台を飾りたてた
箱馬車が、雪に車輪を軋《きし》らせながら、通りを疾走していた。こうしたすべてのも....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
第一章 1 森谷牧場《もりやぼくじょう》の無蓋《むがい》二輪の
箱馬車は放牧場のコンクリートの門を出ると、高原地帯の新道路を一直線に走っていった....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
う間際まで逼《せま》った時女はついに停車場へ来なかった。男は待ち耄《ぼけ》の顔を
箱馬車の中に入れて、空しく家《うち》へ帰って来た。あとで聞くと朋友《ほうゆう》の....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は些大きく、宅の傍までは来ぬと云う。五丁程歩んで、乗った。栗梅色に塗った真新しい
箱馬車式の立派なものだ。米国から一昨日着いたばかり、全速五十|哩、六千円出たそう....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
に来たおじいさんの馬車に、メグとジョウとハンナをのせました。みんなは、ぜいだくな
箱馬車にのって、たのしい、ゆたかな気持にひたりながら帰りました。ローリイは馭者台....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
馬なんだ。」
「なんですって!」とその男は言った、「二十里!」
「さよう。」
「
箱馬車をつけてですか。」
「ああ。」
「それだけかけてから後はどのくらい休めます....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《ゆり》の茎が描かれすっかり金箔《きんぱく》をかぶせられた、彼のどっしりした四輪
箱馬車は、騒がしい音を立てて走った。ちらと見るまにもうそれは通りすぎていた。馬車....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は思い切って尋ねてみた。
「なぜあなたは自分の馬車を備えないのですか。小ぎれいな
箱馬車なら月に五百フランもあればいいでしょう。あなた方は金持ちではありませんか。....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
されるためには、このペンで彼が一枚の紙の隅に自署するだけでたりるし、あるいは彼の
箱馬車がお前の荷馬車に出会うだけでもたりる。――そして、彼は善良だし、おそらく右....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
のはそれから間もないことであった、それから原敬氏はこれも馬車であったか――たぶん
箱馬車と思う――白髪に和服で悠然と納まり込んで走らせるのを見たし、都新聞の幹部会....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
がベーカー街に帰って来たのは十時すぎだった。――と、入口のそとに一台の一頭だての
箱馬車がとまっていた。 「ふうん、――分かった」 と、ホームズは云った。 「医....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
に、シャスタ火山が、虚空に抛げられた白炎のように、盛り上っている下を、二頭立ちの
箱馬車が、のろくさと這いずって、箱の中には、旅の家族とおぼしい女交りの一連が、窮....
「十九の秋」より 著者:永井荷風
務を監督しておられたので、埠頭に立っていた大勢の人に迎えられ、二頭|立《だて》の
箱馬車に乗った。母とわたくしも同じくこの馬車に乗ったが、東京で鉄道馬車の痩せた馬....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
夏らしく繁《しげ》った老樹の下に、三、四台の荷車が休んでいる。二頭|立《だて》の
箱馬車が電車を追抜けて行った。左側は車の窓から濠《ほり》の景色が絵のように見える....
「妻」より 著者:神西清
思い煩うこともなく、静かに余生を送っていたろうに。…… 庭先へ角灯を二つつけた
箱馬車がはいって来た。それから三頭立ての大きな橇がはいって来た。妻のところでは夜....