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箸箱
「箸箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
箸箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父帰る」より 著者:菊池寛
は評判のええ男であったんや。お父さんが、大殿様のお小姓をしていた時に、奥女中がお
箸箱に恋歌を添えて、送って来たという話があるんや。 新二郎 なんのために、
箸箱を....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
居った。さあ己りゃ飯を食べるぞ、いゝか。」 「さあ一緒に食べんかいねえ。」と母は
箸箱を手に取った。 父は「ふふーむ。」と笑って居てなか/\膳に向わなかった。囲....
「家」より 著者:島崎藤村
で飲だ。お雪が生家の知人から祝ってくれたもので、荷物の中へ入れて持って来た黒塗の
箸箱などは、この食卓に向きそうも無かった。 やがて三吉や書生が学校へ行く時が来....
「黴」より 著者:徳田秋声
持ちつけぬ竹の塗り箸さえ心持が悪かった。病気を虞れるお銀の心着けで、机のなかには
箸箱に箸もあったし、飯食い茶碗も紙に包んで持って来たのであったが、それはそのまま....
「宵(一幕)」より 著者:宮本百合子
の出す、灰色っぽい手紙をとる。裏表をかえして見)何が起ったんだろう。 やす子 (
箸箱へ、良人と自分との箸をしまいながら、時々くり拡げられる巻紙を見る)短いじゃあ....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
いで一杯飲む。夜食膳と云いならわした卑しい式の膳が出て来る。上には飯茶碗が二つ、
箸箱は一つ、猪口が二ツと香のもの鉢は一ツと置ならべられたり。片口は無いと見えて山....
「小さき家の生活」より 著者:宮本百合子
、白く糊の新らしいサビエットを拡げ、夕餐の用意をした。お茶を飲もうとする茶碗も、
箸箱も、皆、今度新らしく二人で買い調えたものだ。 卓子に向って坐ると、二人は、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
おかず》の分配《わけ》っこの相談までしてあったのに――机の上には、新らしい小さな
箸箱《はしばこ》と茶呑《ちゃのみ》茶碗が出ている―― おまっちゃんは露路の方を....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ら、木登りをしても学問の思いは届こうと、それを繰返していたのであるから。 幸に
箸箱の下に紙切が見着かった――それに、仮名でほつほつと(あんじまいぞ。)と書いて....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
。へへへへへ。」 「そうね、御馳走になろうかね、どれ、」 女房が気を利かせて、
箸箱をと思う間もなく、愛吉のを取って、臆面なし、海鼠は、口に入って紫の珠はつるり....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
がありまして、その兄弟とも見るべき「津軽塗」と共に世に聞えます。多く作るのは箸、
箸箱、盆、膳、重箱、硯箱、文箱などのたぐいであります。ここでも仕事の忠実な品は美....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
夕食のしな/″\を広蓋にのせて運んで来た。――とも/″\、かれも、茶箪笥をあけて
箸箱を出したり、鉄瓶を下ろして茶を焙じる仕度をしたりした。 「あ、そいつ。――入....