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節制
「節制〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
節制の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
という感情を、少しも経験したことのない忠直卿は、その感情に対してなんらの抵抗力も
節制力も持っていなかった。 「えい! 何という仰《おお》せだ。この忠直が御先《お....
「黒猫」より 著者:佐々木直次郎
せいぜい弱い曖昧《あいまい》な感情で、心まで動かされはしなかった。私はふたたび無
節制になって、間もなくその行為のすべての記憶を酒にまぎらしてしまった。 そのう....
「運命」より 著者:幸田露伴
れば、高巍の説も用いられて已みぬ。 建文元年二月、諸王に詔りして、文武の吏士を
節制し、官制を更定するを得ざらしむ。此も諸藩を抑うるの一なりけり。夏四月|西平侯....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ということも起こって来る。輸入品が多くなれば交易のできなくなることもある。だから
節制しないうちに自然と
節制があるようなもので、交易は常に氾濫に至らない。国内の人....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
、迎いに来られた時には、わざわざその用意までして出掛けたのだ。僕はまた、克己とか
節制とかいうことの、ことさらの何の修養をも積んでいた訳ではない。反対に、そういう....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
あまり面白いとは言われないのである。 問『食物の欠乏から来る心身の衰弱は如何?』
節制第一――われ等の推奨する所は、ただ
節制の一語に尽きる。肉体が食物の補給を必要....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ったいあの話はほんとうかしら……。いや、そんな馬鹿らしいことがあるものか。経済、
節制、努力、これが僕の三枚の必勝の切り札だ。この切り札で僕は自分の財産を三倍にす....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
は違っている。スポーツは喧嘩と違って、文化的なものであり、勝負はあっても、理知も
節制もある娯楽であるが、応援団は喧嘩に属する性格である。ユーモアを解する精神もな....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
違いを起したといって好い。かれは『新生』においてその事を告白するとともに、極度の
節制を護りつづけた。 藤村にくらべれば花袋は単純である。藤村のように解決のつか....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
という子はあまり菓子を食べるので歯は全部味噌歯になってしまっていた。 そうした
節制のない家庭だから、その姉さんたちは赤いしごきを〆めて、三味線の稽古本など持っ....
「露の答」より 著者:坂口安吾
えぬような顔のあまりの涼しさに驚きました。耳があるのか、耳があるならば、この人の
節制はこの世の物ではないような、すべて遠い世の有様を眼前に見ているような奇怪の感....
「泉鏡花先生のこと」より 著者:小村雪岱
されて、四、五年のあいだ粥ばかりで過ごされたことが動機であって、その時の習慣と、
節制、用心が生物禁断という厳重な戒律となり、それが神経的な激しい嫌悪にまでなって....
「迷信解」より 著者:井上円了
むる道はない。また病気をいとうならば、平素衛生に注意し、長寿を願うならば、飲食を
節制するが第一である。その上に災難がきたり病気に襲わるるとも、いわゆる天運のしか....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
い意味で理解することができました。人と人との関係における、種々の心づかい、謙遜、
節制などの用意にも感心しました。いたるところにゲーテの優れた、かつ耕された知恵が....
「死児を産む」より 著者:葛西善蔵
席で伯母などからさんざん油をしぼられ、ほうほうの体で帰京した。その前後から自分は
節制の気持を棄てた。その結果が、あと十日と差迫った因果の塊りと、なったというわけ....