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節回し
「節回し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
節回しの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
子をとりながら、目をねむって、何度もこの歌をうたう。沙金《しゃきん》はよく、その
節回しがおかしいと言って、手を打って笑った。――その歌を、腹の中の子が、喜ばない....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
畳半の座敷にかぎったものだそうだ。ところがぼくがこのとおり大きな声だろう。それに
節回しがあれでなかなか込み入っているんで、どうしてもうまくいかん。こんだ一つやる....
「ラ氏の笛」より 著者:松永延造
横笛を取り出して、私の制止をきかず、印度の古調の一節を吹いた。青年はその不思議な
節回しに耳を傾けつゝ、何かしら自失したように、呆然と立っていた。 一節が終ると....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
けでは連句はできない。いろいろな音程が相次いで「進行」して始めて一つの旋律一つの
節回しができ、そうすることによってそこにほとんど無際限な変化の自由が生ずるのであ....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
オーナス、トオーモローコシノーナエ」という、長くゆるやかに引き延ばしたアダジオの
節回しを聞いていると、眠いようなうら悲しいようなやるせのないような、しかしまた日....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いとしき人と、このわれを
声がとだえる。中音《テノール》も野卑なら、歌の
節回しも下品であった。と、今度は別の女の声が、なんとなくおどおどしてはいるが、ひ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っていた。クリストフは、飾りたてた発声法をもってる大仰《おおぎょう》な甘ったるい
節回しのイタリー歌劇《オペラ》を重んじなかったが、それらの詩劇をもまた同様に重ん....
「美音会」より 著者:佐藤垢石
淀の川瀬と柱立を唄う。土志と変わって非常に大きな声で物にもよるだろうが唄い振り、
節回しが頗る粋だ。聞く人によっては鈴の方が好きだというかも知れない。 終わると....
「苦楽」より 著者:上村松園
分ながら楽しく謡い終わるという次第です。 私の謡い方が、まるで無我夢中で、少々
節回しなどはどうあろうと、一向構わず、堂々とやっているには呆れる、と松篁なども言....