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「節季〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

節季の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
年中借金取が出はいりした。節季はむろんまるで毎日のことで、醤油屋《しょうゆや》、油屋、八百屋《やおや》、鰯....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
家をあけようと、一月家をあけようと、そんなことはどうでもよかった。ただ、三日前の節季に豹一がいなかったということは、はなはだ残念なことであった。貰うべき下宿代も....
豚群」より 著者:黒島伝治
るんだがなあ。賃銀だけは貰って行かなくちゃ!」 既に月の二十五日だった。暮れの節季には金がいるから十二月は日を詰めて働いたのであった。それに、前月分も半分は向....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
でも内密に探索して貰いたいとおっしゃるのだから、あなたから詳しい話をうかがって、節季《せっき》前に気の毒だが一つ働いてくれと……。わたくしも御用のことですから委....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゃあほんとうに察していますよ」と、半七はしみじみ云い出した。「亭主は道楽をする。節季師走《せっきしわす》にはなる。幽霊だって気が気じゃあねえ。家のものだって質《....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
所の煤を払って、旧い絵馬を新らしい絵馬にかえるのです。笹売りと絵馬売り、どっちも節季らしい気分を誘い出すものでしたが、明治以来すっかり絶えてしまいました。どうも....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《うまみ》があるんじゃありますまいか。ともかくもちっと洗いあげてみましょう」 「節季《せっき》師走《しわす》に気の毒だな。あんまりいい御歳暮でも無さそうだが、鮭....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
梁。なんぼあたしだって……。もうこのとおり、朝のお稽古を二人も片付けたんですよ。節季師走じゃありませんか」 「そんなに早起きをしているなら知っているのかえ。津の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る。碁打ちになる、俳諧師になる。梅川の浄瑠璃じゃあないが、あるいは順礼、古手買、節季候にまで身をやつす工夫を子供の時から考えていた位です。そうして、かの水野が先....
食魔」より 著者:岡本かの子
鼈四郎は笊を持って堤を越え川へ下りて行く。 その頃まだ加茂川にも小魚がいた。季節季節によって、鮴、川鯊、鮠、雨降り揚句には鮒や鰻も浮出てとんだ獲ものもあった。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れているので、番屋の炉のそばに寒そうに竦んでいた。 「道具屋さん。お気の毒だね。節季師走のいそがしい最中に、いつまでも留められていちゃあ困るだろう。もういい加減....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いので、半七はつかつかと立ち寄って女の肩に手をかけた。 「おめえも強情な子だな。節季師走に両国橋のまん中に突っ立って何をしているんだ。四十七士のかたき討はもう通....
窃む女」より 著者:黒島伝治
「そうかい。」彼は笑った。 三 木代が、六十円ほどはいったが、年末節季の払いをすると、あと僅かしか残らなかった。予め心積りをしていた払いの外に紺屋....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
た大きな眼を彼の額に据えた。彼は話題を他へ持って行くほかなかった。 「でも近頃は節季近くと違って、幾らか閑散なんだろうね。それに一体にこの区内では余り大した事件....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
。普通は一反について稲一把ずつという例であった。また祭礼とか、正月とか、盆とか、節季とかいう紋日にも、餅やその他の物を貰う。彼らはもと法師仲間であるが故に、それ....