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築き上げる
「築き上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
築き上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
度外視しては、未来の相は成り立たない。これは少しも高慢な言葉ではない。その未来を
築き上げるものは私の現在だ。私の現在が失われているならば、私の未来は生れ出て来な....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
よって、このわずかな肖似の点を土台にして、かなりまで実在の世界に近い映画の世界を
築き上げる。そうして、いつのまにか映画と実際との二つの世界の間を遠く隔てる本質的....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
意味で、映画芸術はほんとうに時と空間をひとまとめにしたいわゆる四次元空間に殿堂を
築き上げる建築の芸術であるということが了解されるであろう。そうして舞台芸術は一見....
「天馬」より 著者:金史良
ような素人でも書けますよ。朝鮮の地方的な文化もやはりここへ来ているわれわれの手で
築き上げるべきもんですな。ところでさあ、一つどうです」 と盃を取り上げた。 ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ースであることからは独立に、専ら意味自身の相互の連絡だけに手頼って、意味の世界を
築き上げることが出来るようになる、ということを注意しなくてはならぬ。或る「意味」....
「浅間山麓より」より 著者:寺田寅彦
押出熔岩流の末端の岩塊をよじ上ってみた。この脚下の一と山だけのものをでも、人工で
築き上げるのは大変である。一つ一つの石塊を切り出し、運搬し、そうしてかつぎ上げる....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていた。好人物のジャン・ミシェルは、クリストフよりもなおいっそう、友人の上に幻を
築き上げる幸福な能力をもっていたのである。クリストフもそのことに気づいていた。彼....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たまえ。すべての人のための歌を書きたまえ。そうした上で、交響曲《シンフォニー》を
築き上げるがいい。一足飛びにやったって何になろう? ピラミッドは頂から作り始める....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
が、容赦のないリアリズムを用い尽した後、菊池は人間の心の何処に、新道徳の礎を
築き上げるのであろう? 美は既に捨ててしまった。しかし真と善との峰は、まだ雪をか....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
術の修行も要するに自己を鍛錬して、いかなる場合にもぐらつくことのない立派な余裕を
築き上げることに尽きるようである。そして芸術の役割とは要するに人々の心に余裕の世....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
あげるのは土工に任せて、その夜のうちに仕上げたのであると答えた。シナの塚は大きく
築き上げるのであるから、柩に土をかけるのを見届けて帰るのがまず普通で、王の仕方に....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
気分の斉正という処まで出て来たと言われよう。良寛から「才」をとりのけた様な物を、
築き上げる過程にあるらしい。此を以て茂吉は尚、万葉調と称して居るが、実は既に茂吉....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
らゆる施設を充実せしむることが出来るならば、花柳社会の陰影から、明朗高潔の天地を
築き上げることができると確信した。 そして、東京会館と帝劇とを買収すると同時に....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
一夜に出来た砂堤なんです。お断りするまでもありませんが、打って寄せる浪の力で砂を
築き上げる、川も増水の勢で、砂を流し流し、浪に堰かれて、相逆ってそこに砂を装上げ....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
ほんとうの文明とは何か、それは相互扶助の世界である、力の世界ではなく、愛の世界を
築き上げるということが人間の目的であり文明の目的である。ほんとうの文明は相互扶助....