築地[語句情報] » 築地

「築地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

築地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ように憎みまして、その時も梨の花に、うらうらと春日《はるび》が※《にお》っている築地《ついじ》の上から白髪頭《しらがあたま》を露《あらわ》して、檜皮《ひわだ》の....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
子爵その人の心のように眺めたと云う記憶があった。…… 「どうです、この銅版画は。築地《つきじ》居留地の図――ですか。図どりが中々巧妙じゃありませんか。その上明暗....
路上」より 著者:芥川竜之介
》して、この頃発行し始めた同人雑誌の名前である。その連中の主催する音楽会が近々|築地《つきじ》の精養軒《せいようけん》で開かれると云う事は、法文科の掲示場《けい....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
受けたものは何と云っても「初ちゃん」である。「初ちゃん」は芝の新銭座からわざわざ築地のサンマアズ夫人の幼稚園か何かへ通っていた。が、土曜から日曜へかけては必ず僕....
或る女」より 著者:有島武郎
もらいたいと逃げを張ったらしい。古藤はやむなくまた五十川女史を訪問した。女史とは築地《つきじ》のある教会堂の執事の部屋《へや》で会った。女史のいう所によると、十....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いでしょうと思って、学校の帰りに幾度も九段まで来て止したの。 それでも、あの、築地から来るお友達に、この辺の事を聞いて置いて、九段から、電車に乗るのは分ったの....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
でしょう。……事実なんです。貞操の徴と、女の生命とを預けるんだ。――(何とかじゃ築地へ帰られねえ。)――何の事だかわかりませんがね、そういって番頭を威かせ、と言....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
判である。 この岡惚れの対象となって、江戸育ちだというから、海津か卵であろう、築地辺の川端で迷惑をするのがお誓さんで――実は梅水という牛屋の女中さん。……御新....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、 「小県ですよ、ほんとう以上の小県銑吉です、私です。――ここに居ますがね。……築地の、東京の築地の、お誓さん、きみこそ、いや、あなたこそ、ほんとうのお誓さんで....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
である。が、当時梨園に擢出た、名優|久女八は別として、三崎座なみは情ない。場面を築地辺にとればまだしもであったと思う。けれども、三崎町が事実なのである。 「ほほ....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
うに舶来の物を売る店があったということは、横浜から新橋へ汽車の便のあったことと、築地に居留地のあったためと、もう一つは家屋の構造が例の煉瓦で舶来品を売るのに相当....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
「これかね、寛政|子年の津浪に死骸の固っていた処だ。」 正面に、 葛飾郡永代築地 と鐫りつけ、おもてから背後へ草書をまわして、 此処寛政三年波あれの時、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
惜い! とばかりぶるぶると顫えて突立ったが、愛吉は血だらけになっていたのである。築地|明石町に山の井|光起といって、府下第一流の国手がある、年紀はまだ壮いけれど....
式部小路」より 著者:泉鏡花
気が咎めてならねえんで、尋ねるわけにもなりませんで、程たって、勝山さんの御新造が築地の何とかいう病院で、お亡なんなすったって、風のたよりに聞きましたが、ともかく....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ったらしい。若い身空にふりみふらずみ、分けてその日は朝から降りつづく遣瀬なさに、築地の家を出て、下谷|三の輪辺の知辺の許へ――どうも前に云った雪中庵の連中といい....