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「築港〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

築港の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
父帰る」より 著者:菊池寛
賢一郎 (やや冷やかに)俺たちに父親《てておや》があれば、八歳《やっつ》の年に築港からおたあさんに手を引かれて身投げをせいでも済んどる。あの時おたあさんが誤っ....
猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
走る時間で充分歩いていけるからだった。 「回ったってすぐだ。ちょうど北海道のある築港から、急行セメントの検査に来た技師が江東ホテルに泊まっているものだから、ちょ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
で拳骨を振り廻した。母は毎晩安二郎の肩をいそいそ揉んだ。 豹一は一里以上もある築港まで歩いて行き、黄昏れる大阪湾を眺めて、夕陽を浴びて港を出て行く汽船にふと郷....
永日小品」より 著者:夏目漱石
》へいっしょに出かけた。勘定《かんじょう》は必ずK君が払ってくれた。K君は何でも築港の調査に来ているとか云って、だいぶ金を持っていた。家《うち》にいると、海老茶....
わが町」より 著者:織田作之助
店出しなとせんと、餓死してしまうやないか。ほんにお前は薄情な亭主やぜ。お鶴はんは築港に二階つきの電車が走っても、見に行きもせんと、昼は爪楊子の内職をして、夜はお....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
ことが、ひょいひょいと話に出てきた。「国道開たく工事」「灌漑工事」「鉄道敷設」「築港埋立」「新鉱発掘」「開墾」「積取人夫」「鰊取り」――殆んど、そのどれかを皆は....
死までを語る」より 著者:直木三十五
なっているが、田圃の真中に、学校が一軒ある切り、前は、尻無川まで見えるし、右は、築港まで一目である。 水道が引けたり、電燈がついたりしたのも、その頃であるから....
」より 著者:織田作之助
鬱にもなった。母は毎晩安二郎の肩をいそいそと揉んだ。 豹一は一里以上もある道を築港まで歩いて行き、黄昏れる大阪湾を眺めて、夕陽を浴びて港を出て行く汽船にふと郷....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
面がつかないのさ。ぼくの数年はその苦闘史さ。こんど立候補するのも、そうする以外に築港を完成する手がないからだよ」 青木は再びカラカラと高笑いした。まるで立候補....
夜光虫」より 著者:織田作之助
掏らせて貰った。 悪く思うな! 夜のポーズ 落日の最後の明りが築港の海に消えてしまうと、やがて大阪に夜が来た。 太陽の眩しい光に憧がれる人達....
日和下駄」より 著者:永井荷風
ぶる》変化に富んだ都会である。まず品川の入海《いりうみ》を眺めんにここは目下なお築港の大工事中であれば、将来如何なる光景を呈し来《きた》るや今より予想する事はで....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
ような、滑稽な、ただ傍聴者をあてこんだだけの議題が論じられたあとで――たいていは築港のことです。いつもいつも築港のことです――裁判手続きのことも議題にのぼるでし....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
やく至る。寒暖六十八度、わが梅雨の候のごとし。リオ港は天然に港湾の美を有するも、築港いまだ完成せずして、巨舶を埠頭につなぐあたわず、船の上下必ず小舟を用いざるを....
」より 著者:織田作之助
生の頭をこついたりしてみても、如何にもけちくさく、それよりか、一里以上もある道を築港まで歩いて行き、黄昏れる大阪湾をながめて、豹一おまえは可哀そうなやっちゃと自....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
切れる!』と一躍名をあげたものである。 抜けがけの功名もやった。それは大阪港の築港工事に使うしゅんせつ船「大浚丸」一号から十三号までの十三隻に使う石炭二千五百....