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篏
「篏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
篏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
から、お前は今始めて自由になることが出来る。これまでお前が、自分を或る外界の型に
篏める必要から、強いて不用のものと見て、切り捨ててしまったお前の部分は、今は本当....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
場所だった紙鳶に結びつけて、飛ばせました。そして、感光膜の輪を鉄管の先端にうまく
篏め込むと同時に、鈎切につけたもう一本の糸を操って感光膜を結びつけた糸を切り、更....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
ったな！」どうしたものか香具師は、俄に叫ぶと居住居を直し、煙突形の円筒へ、斜めに
篏め込まれた鏡面をグッとばかりに睨み付けた。驚いた九兵衛も首を延ばし、これも鏡面....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。しかし思索せずにただ偶然に感情のままに事象を感受するならば、それはかえって型に
篏って経験を受け取ることになるのである。かくて得られたる内容は真理でなくて常識で....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
外、大きな壁画であるとか或は何百号への大作などする場合、単に自然の一角を切取って
篏め込むだけではどうも絵は纏まらない。 そこで何人かの群像や風景、及草木、花鳥....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
。ほんの略画、素描、一部のアウトラインだけを示すと、日本人は勝手な色彩なり想像を
篏め込んでくれる仕掛けとなっている。一本の指で万事を悟らせる一休禅師のコツもこれ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
昭和の人間の、科学的の眼から見る時には、別に変奇なものではなかった。窓々に硝子が
篏めてあって、採光が巧妙に出来ている。四方の壁には棚があったが、それが無数に仕切....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
物――などというようなありきたりのものを、小堀流とか遠州流とか、そういった流儀に
篏めて、縦横に造ったものに過ぎないのである。 二人の眼の先にあるものは、やはり....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
るぜ」 暗い穴の中を覗きながら、オンコッコは悪口を云った。それから外れた床板を
篏めるとやがて扉を開けて外へ出た。 戸外は戦いの最中である。 穴の底へ落ちた....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
た。 引き違いに現れたのは一人の令嬢、「※たけた」という形容詞が、そっくり当て
篏まるような美人であった。 「おたずねの品物、これでございましょう」 差し出し....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
津太郎とは三津五郎にとっては実子にあたり、それも長男で二十一歳、陰惨な役所によく
篏まり四谷怪談の伊右衛門など最も得意のものとしたいわゆるケレンにも達していて身の....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
っ掴まってしまった。でおれは仰天して助けてくれーッと叫んだものさ。だがすぐ猿轡を
篏められてしまった。そうしてとうとう引っ担がれてしまった。長い間横穴を走ったっけ....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
こう云っちゃ兄弟の仲で恩にかけるようで気恥かしいが、田舎者のあのお種を、六十両で
篏めたのは、この長庵が口を利いたから、これが慶庵の手へかかればこう旨くは行くもの....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
つで、すぐにでも切ろうとでもいうように、柄頭を拳でトントンと打った。と、目貫の象
篏が、黄金無垢でできていたのでもあろう。陽をはねてキラキラと輝いた。
「さようさ....
「京のその頃」より 著者:上村松園
も、あの頃は如何にも屏風祭らしい気分が漂っていた。この頃のように鉄のボートなどの
篏まった家などなく、純粋な京式な家ばかりだったので、お祭頃になると建具をとりはず....