篝屋[語句情報] » 篝屋

「篝屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

篝屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私本太平記」より 著者:吉川英治
大な予言者の声にでも触れるように、霜白々と、待ち冴えている。 洛内四十八ヵ所の篝屋の火も、つねより明々と辻を照らし、淡い夜靄をこめた巽の空には、羅生門の甍が、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
綱のひきいる約千人。――陣貝、陣鉦などはもとより持たない。 すでに、洛中諸所の篝屋とは、しめし合せもあったとみえる。行く行く篝屋武士も、打物取って、討手方の一....
私本太平記」より 著者:吉川英治
出動できる軍兵に、伝令まで付してあった。――もちろん、洛内は戒厳令下にあり、夜は篝屋の火で真っ赤だが、昼は逆に人通りもなく、五月の青葉もむなしく、苦悩の都は、死....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いようなものが正直に出てしまった。 六角時信といえば、昨今、市中で羽ぶりのいい篝屋奉行(警視の職)のひとりである。――近江源氏の佐々木一族で、この秋の叡山攻め....
私本太平記」より 著者:吉川英治
英と、紀伊の隅田藤内左衛門で、ふたりが大江の北に陣をすすめた次の日、さらに在京の篝屋武士千余騎が、追っかけの加勢として、両将の下に加わっていた。 大江は、名に....
私本太平記」より 著者:吉川英治
でのぞめ」 と直義にいいつけた。 直義には適任だった。彼は、洛内四十八ヵ所の篝屋を復活させ、強盗、追剥ぎ、ゆすり、残党など、片っぱしから処刑に付していたが、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
っている風。 また、やがて夜が深まると、辻々四十八ヵ所にいつもは終夜詰めている篝屋(後世の辻番所)の武士が、こつねんと、みなどこかへ姿を消し去った。 そして....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の逃亡―― と、事の変を知らされたときは、すでに陽も高く、責任者の警固がしらや篝屋番の武士などは、もう首のない人間みたいに、階下の地上にヘタ這っていた。また、....