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篠突く
「篠突く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
篠突くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
必ず真夜中に、ただ一人で猿の湯へはいりに行くのである。片手で番傘を振りひらいて、
篠突く雨のなかへ、刀の鞘を袖で庇《かば》いつつ、出羽は、さっさと出て行った。 ....
「旅愁」より 著者:横光利一
けたらしいルルは、久慈の肩に手をかけたまま這入って来る新しい客の顔を眺めていた。
篠突く雨で道路は水を跳ね返しぼうと地上一尺ほどの白さで煙っている。その中を自動車....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
して、同時に眼も眩むばかりの稲妻が光る。その中、空が真暗くなって、あたりの山々が
篠突くような猛雨の為めに白く包まれる……ただそれきりのことに過ぎませぬ。 が、....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
声と共に手繰り下ろした。 星が消えたと見る間もなく、ザーッと雨が落として来た。
篠突くような暴雨であった。雨脚が乱れて濛気となり、その濛気が船を包み、一寸先も見....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
三人の白衣の乙女。あわれ、魂を迎うべく、天使|来る矣、と憂えたのである。 雨は
篠突くばかりとなった。棟に覆す滝の音に、青葉の唱歌の途切るる時、ハッと皆、ここに....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
本庄|恒夫と辰馬久は
篠突く雨の中を夢中で逃げた。体を二つにへし折り、風に追われながら、夜の市街をひた....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
深さ膝を没し、どれが路やら河やら区別がつかず、足もとの危ないこと甚しい。上からは
篠突く雨が横なぐりに叩きつける、全身濡れ透ってしまったが、それでも歩調はゆるめな....