篠笹[語句情報] »
篠笹
「篠笹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
篠笹の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海浜一日」より 著者:宮本百合子
は急いで風よけの蔭からかけ出した。 「ピーユ」 「ここよ、ここよ」 浜へ下りる
篠笹の茂みのところに父の姿が見えた。 「こっちにいらっしゃーい!」 佐和子は大....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
ひろ子の周囲にあらわれた光景のすべては仮借ないものであった。 七
篠笹の藪と、すこしはなれた高くない山並の間の小駅で降りて、ひろ子は、駅前のひろ場....
「春昼」より 著者:泉鏡花
に、春は菫、秋は竜胆の咲く処。山清水がしとしとと湧く径が薬研の底のようで、両側の
篠笹を跨いで通るなど、ものの小半道踏分けて参りますと、其処までが一峰で。それから....
「立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
処を亡者が通ります」と、案内者は提灯の灯をあげて云った。 窪地のむこうには薄く
篠笹の生えた勾配の緩い岩山の腰があった。小八は案内者の云うとおりになって案内者の....
「幻覚記」より 著者:豊島与志雄
一 筑後川右岸の、平坦な沃野である。消く水を湛えた川べりに、高い堤防があって、真直に続いている。堤防の両側には、葦や
篠笹が茂っていて、堤防上の道路にまで蔽いかぶさり、昼間も薄暗く、夜は不気味である....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
栗山桶《くりやまおけ》からは冷たそうな氷柱《つらら》がさがっている。崖《がけ》の
篠笹《しのざさ》にからむ草の赤い実をあさりながら小禽《ことり》は囀《さえず》って....
「小伜の釣り」より 著者:佐藤垢石
、六年頃になると、母親の眼を隠れては近くの池や川へ行くようになった。裏の薮から、
篠笹を切ってきて、それに母の裁縫道具の中から縫糸を持ち出して道糸をこしらえては、....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
に下りたのも尾でたたきたたき啼いている。池には紅葉の木が枝を張り出して、根かたに
篠笹がひとかたまり、明るい陽射しの中に福寿草が含羞むようなすがたで咲いていた。 ....