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篩
「篩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
篩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
べき範律を作り、その範律に則って自己を生活しなければならぬ。努力は実に人を石から
篩い分ける大事な試金石だ。動植物にあってはこの努力という生活活動は無意識的に、若....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
学校には僕等三人のほかに同じ級から二十名近くはいった。が、その半分は本入学の時に
篩い落され、あとの半分も大部分は二年へ行く時に落されてしまった。そしてその残りの....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
着けて、稲の穂をこいては前にある箕の中へ落していた。その傍には、父子の叩いた籾を
篩にすくい入れて、腰を曲めながら働いている、黒い日に焼けた顔付の女もあった。それ....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
って、うす暗いのであると思ったのに、木のないところへ来ると、空は日が未だ高くて、
篩をかけたように、青葉の上に金光をチラリと流して、木の下道にのみ、闇がさまよって....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
くしの真実の実話などは、到底なんのことだか信じられないであろう) だんだんと、
篩をかけてきた結果、いよいよ真相を告げておよろしい頃合となったと思うが、わたくし....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
。 ある時蜘蛛を生捕りにすることを自慢のおやじが近所にいた、おやじは早速団扇と
篩とを持ってやって来て、さあ見なはれや、今生捕りまっさかいといいながらその紙の蜘....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
八方から突出していた。しかしそれに刺され、あるいはそれを除けて行く往来の人はまだ
篩にかけられていなかった。ゴミが多かった。というのは午後十一時過ぎのように全く遊....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
て皆な銭出して買うたもんじゃ。」 じいさんはそんなことを云うおしかにかまわず、
篩いや、中古の鍬まで世話になった隣近所や、親戚にやってしまった。 老いた家無し....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
玄米を、徳利の中へ無造作に入れて樫の棒でコツコツ搗くのであって搗き上がるとそれを
篩にかけその後で飯に炊ぐのであった。彼は徳利搗きをやりながらも眼では本を読んでい....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
。 折から颯と渡った風は、はじめ最も低く地上をすって、雪の上面を撫でてあたかも
篩をかけたよう、一様に平にならして、人の歩行いた路ともなく、夜の色さえ埋み消した....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
十円になりしているようなこともありますが、古いものでは遠い昔のことでありますから
篩にかかって公平な値段がつけられておる。そこで大体において古い物は間違いのない相....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ちゃ死ぬるのだ。
丸は土焼、
かけらが出来る。
メフィストフェレス
あの
篩はなんにするのだい。
牡猿(
篩を取り卸す。)
もしあなたが盗坊なら、
....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ます。しかし、ただの輸入消費ではありません。輸入するにも、国土民情に適したものを
篩い選り、そしてさらにこれを民族精神で精製し直し、全く日本的の仏教にして消費し来....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
頭してゆく。 あの固形体のパルプが、ねとねとの綿になり、乳になり、水に濾され、
篩われてゆく次から次への現象のまた、如何に瞬時の変形と生成とを以て、私たちを驚か....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
眼さきの変った探偵芝居をやった。――そのとき二十五人のその臨時雇のうちからさらに
篩って五人だけ見習生に取立てた。――その筆頭がかれだった。 偏えにそれはかれの....