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篳
「篳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
篳の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のごとくに見えました。 鉦《かね》もきこえるのです。 鈴の音も、笙《しょう》
篳篥《ひちりき》の音も、そうかと思うと太鼓の音がどろどろどんどんと伝わりました。....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
出して、百畳敷一ぱいの人である。正面には御簾を捲いて、鏡が飾ってある。太鼓、笙、
篳篥、琴、琵琶なんぞを擁したり、あるいは何ものをも持たぬ手を膝に組んだ白衣の男女....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、こんな邪教があろうとは! と、その時、忽然と、音楽の音が響いて来た。 まず
篳篥の音がした。つづいて笙の音がした。搦み合って笛の音がした。やがて小太鼓が打ち....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
生花はあらゆる種々な格好になってくる。竜燈、旗、天蓋《てんがい》、笙《しょう》、
篳篥《ひちりき》、女たちは白無垢《しろむく》、男は編笠をかぶって――清楚《せいそ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
、悩ましそうに岩へよりかかっている源氏の美に比べてよい人はだれもなかった。いつも
篳篥《ひちりき》を吹く役にあたる随身がそれを吹き、またわざわざ笙《しょう》の笛を....
「源氏物語」より 著者:紫式部
この家でも楽器の音をさせているのである。左大臣の子息たちも、平生の楽器のほかの大
篳篥《おおひちりき》、尺八などの、大きいものから太い声をたてる物も混ぜて、大がか....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
なほとんど同じもののように聞えた。物に滲み入るような簫の音、空へ舞い上がるような
篳篥の音、訴えるような横笛の音が、互いに入り乱れ追い駆け合いながら、ゆるやかな水....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
廊下を歩くからだ。 鐘が鳴って、稚児の行列が向こうの渡り廊下にあらわれた。笙や
篳篥の音が始まった。私たちは立ちあがってその方へ見に行った。 私は鶴子とすぐ並....
「多神教」より 著者:泉鏡花
して、その鏡を視る。丁々坊は熊手をあつかい、巫女は手綱を捌きつつ――大空に、笙、
篳篥、幽なる楽。奥殿に再び雪ふる。まきおろして)―― ――幕――....
「山吹」より 著者:泉鏡花
面をかわるがわる打つ音なり、ドーン、ドーンドーン、ドーンと幽に響く。 人形使 笙
篳篥が、紋着袴だ。――消防夫が揃って警護で、お稚児がついての。あとさきの坊様は、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
晶にして、天然に簫の形をしたのがある。石燈籠ほどの台に据えて見事である。そのほか
篳篥などは、いずれあとから擬えたものであろうが、築山、池をかけて皆揃っている。が....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
それから修学僧侶の下僕にもなるです。それらはまあよい方の仕事で、なお大きな笛や笙
篳篥を吹いたり太鼓を打ったり、あるいは供養物を拵えたりするのも、やはり壮士坊主の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
っていた。――が今、武蔵の耳をいたく刺戟したのは、その風の間に流れて来た――笙と
篳篥と笛とを合奏せた古楽の調べであった。 さらになお、耳をすますと、その奏での....