簀戸[語句情報] » 簀戸

「簀戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

簀戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
田舎教師」より 著者:田山花袋
りが夕暮れになるといつもいい声を立てて鳴いた。床柱の薔薇の一|輪※し、それよりも簀戸をすかして見える朝顔の花が友禅染めのように美しかった。 一日、午後四時ごろ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
の。とても、いい人だもの。」 朝風には、もう秋のさわやかな冷気が、感じられた。簀戸のかなたに、冴々と青空が、広がっている。新しい生活の最初の馴れない疲労が、ズ....
地上」より 著者:島田清次郎
でございます」 「暫く世話になるから――冬子と言ったね」 「はい」 この部屋と簀戸越しの次の室にこの時|蚊帳を吊る吊り手の金環の触れ合う音や畳摺れの音が聞えた....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
かかったらしいとは、藤吉勘次が期せずして看て取ったところ。親分乾児が膝を並べる。簀戸《すど》へもたれて大|胡坐《あぐら》の藤吉、下帯一本の膝っ小僧をきちんと揃え....
紫式部」より 著者:長谷川時雨
うあん》ばかりではない。連日の雨に暮れて、雨に明ける日の、空が暗いのだ。それが、簀戸《すど》を透して、よけいに、ものの隈《くま》が濃い。 濡れた蝉の声、蛙も鳴....