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「簡便〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

簡便の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
服装に就いて」より 著者:太宰治
一年の時、既に粋人たらむ事の不可能を痛感し、以後は衣食住に就いては専《もっぱ》ら簡便安価なるものをのみ愛し続けて来たつもりなのである。けれども私は、その身長に於....
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
時代には相対死などいうて、一時に二人ずつ死ぬことさえあった。 自殺をするに最も簡便な方法は、まず身を投げることであるらしい。これは統計学者の自殺者表などを見な....
ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
がこの方法はいかに有効でもわれわれには少しぜいたくすぎるような気がする。もう小し簡便な方法がありそうなものである。だれか忠実な住宅建築の研究者があって、二三日天....
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
であったのが、その後拡張されて今のような大きな部屋になったと思う。ちょっと清潔に簡便に食欲を満足させ、そうして時間をつぶすに適当なようにできている。普通の日本人....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
て現在の土角造りの長所を保存して、その短所を補うようなしかも費用のあまりかからぬ簡便な建築法を研究してやるのが急務ではないかと思われる。それを研究するにはまず土....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
はははは、コップにコウヒイが出て一ぱいになると止まりまさあ――って調子で、万事が簡便主義です。そのかわり人間も簡便だ。あははは、エロウストン・パアクですかね。そ....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
然るべく思われるのに、そんな声もきかれない。 身のまわり、私生活は、できるだけ簡便にすべきもので、せまい国土のくせに一人一軒の木造家屋に住んでいるなどとは、愚....
戦争論」より 著者:坂口安吾
らぬ。 安易にして便利な法を発案するのは悪いことではないが、工夫と努力によって簡便安易な法を見出すのではなく、無策の故に、又、努力と工夫がいらないために、安易....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
も添えて客に出すのであるが、いったいミルクホールというのは至極手間のかからない、簡便な弁当代りのものを認めるところであるから、昼食と夕食時刻の前後には、あいてい....
話の種」より 著者:寺田寅彦
る必要はない。最近の米国雑誌によれば、この種の測量にパノラマ写真機を用うれば最も簡便だという事である。 (明治四十一年五月十五日『東京朝日新聞』) ....
特攻隊に捧ぐ」より 著者:坂口安吾
れが特攻隊であった。特攻隊は兵隊ではなく、兵器である。工業力をおぎなうための最も簡便な工程の操縦器であり計器であった。 私は文学者であり、生れついての懐疑家で....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
名は「純粋経済学要論――社会的富の理論」とせられねばならぬのではあるが、称呼上の簡便を期するため、単に「純粋経済学要論」としておいた。一九二六年版は、三箇所に加....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
カチはフロシキ大でもカサばらなくて荷に感じない。 私のような不精者はいかにして簡便に暮すか、本能的に常時用意を怠らぬもので、長い独身生活の放浪に常時身辺におい....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
、手によりて自然に運動するは、習慣より生ずるものなり。 今その例を示すに、最も簡便なるものは、俗に癖というものこれなり。人と互いに対座するの際、あるいは折々首....
久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
の場合に道具の色が変ったりするから、あまり長くなれば上塗をする。まことに簡単とも簡便とも申しようがない。それですから外国の幕間は五分でもいいわけなので、日本の芝....