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簡単服
「簡単服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
簡単服の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「美少女」より 著者:太宰治
、われながら情なく思った。なお鏡を見つめていると、ちらと鏡の奥に花が写った。青い
簡単服《かんたんふく》着て、窓のすぐ傍の椅子に腰かけている少女の姿である。そこに....
「風の便り」より 著者:太宰治
影がはいっていて涼しそうでした。女が坐っているのです。奥に畳が二枚敷かれていて、
簡単服を着た娘さんが、その上にちゃんと行儀よく坐って縫いものをしているのでした。....
「令嬢アユ」より 著者:太宰治
た。 「釣れますか?」女の声である。 もの憂げに振り向くと、先刻の令嬢が、白い
簡単服《かんたんふく》を着て立っている。肩には釣竿をかついでいる。 「いや、釣れ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
行ってみよう) お美代は決心をして、とうとう草叢の中へ分け入った。ワンピースの
簡単服は、茨にひっかかって、たちまちベリベリと裂けてしまった。しかし今はそんなこ....
「満願」より 著者:太宰治
ございます、と旅の私に挨拶した。その時刻に、薬をとりに来る若い女のひとがあった。
簡単服に下駄をはき、清潔な感じのひとで、よくお医者と診察室で笑い合っていて、とき....
「灯籠」より 著者:太宰治
ました。 町内では、一ばん手広く商っている大丸の店へすっとはいっていって、女の
簡単服をあれこれえらんでいるふりをして、うしろの黒い海水着をそっと手繰り寄せ、わ....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
はハッと眼を伏せたかも知れないのだ。 黒吉の恰度眼の前では、少女の座員たちが、
簡単服を着て、縄飛びをしていた――。しかし彼の見ているのは、それではなかった。こ....
「働くために」より 著者:宮本百合子
適合した変化が必要だし、その必要をみたすことが衣服の最低の条件なのだろうと思う。
簡単服という言葉はホーム・ドレスを意味する日本名だが、日本の女性たちの生活は、働....
「白蛾」より 著者:豊島与志雄
しかったりするのも、彼女がその主な原因だったかも知れません。 彼女はたいてい、
簡単服だったり、浴衣がけだったり、買物袋をぶらさげていたり、すりきれた下駄をはい....
「火の扉」より 著者:岸田国士
よしてちようだい」 こうカン高い声で叫んだのは、四十がらみのでつぷりした女で、
簡単服のすそをつまんで胸をそらしている。 「気をまわすのはそつちのことでしよう。....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
しまった。この家の一人娘の遺品だという古ミシンをつかって、片手間に近所の人たちの
簡単服だのエプロンだのの賃仕事をしているうちに、出入りのクリーニング屋から話がつ....
「藤の瓔珞」より 著者:田中貢太郎
云う声がした。と、一方の室の障子が開いておさげにした少女が顔を出した。少女は青い
簡単服を着ていた。 少女は女の方へ眼をやったが、やがてその眼をこっちへ持って来....