»
籌
「籌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
籌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
すから、太刀山《たちやま》にも負けない大男だったのです。いや、恐らくは太刀山も一
籌《いっちゅう》を輸《ゆ》するくらいだったのでしょう。現に同じ宿《やど》の客の一....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
たしも亦あらゆる芸術家のように寧《むし》ろ※には巧みだった。が、いつも彼女には一
籌《いっちゅう》を輸《ゆ》する外はなかった。彼女は実に去年の※をも五分前の※のよ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
「剣客の剣を舞わすに、力|相若《あいし》くときは剣術は無術と同じ。彼、これを一
籌《いっちゅう》の末に制する事|能《あた》わざれば、学ばざるものの相対して敵とな....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
た。五月藻作氏と連れ立った断髪の五月あやめ女史や、女学校の三年生で三段の腕を持つ
籌賀明子さんなどの婦人客が一座の中に牡丹の花のように咲いていました。あちこちで起....
「運命」より 著者:幸田露伴
繞る。 緩舞 呉姫 出で、 軽謳 越女 来る。 但欲ふ 客の※酔せんことを、 ※
籌 何ぞ肯て数へむ。 流年 ※馳を嘆く、 力有るも誰か得て阻めむ。 人生 須らく....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
《とうほん》せし恥辱《ちじょく》を糊塗《こと》せんために、かくは姑息《こそく》の
籌《はかりごと》を運《めぐ》らして我らの行を妨《さまた》げ、あわよくば縛《ばく》....
「九条武子」より 著者:長谷川時雨
どころに書いてあるが、武子姫の御縁談のことを、重だってお考えになる方は、お姉君の
籌子《かずこ》夫人が、その任に当られるようになりましたとある。本願寺重職の人々が....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
し、無事に其の時の用を弁じて間もなく退役し、自ら禄を離れて、住所を広島に移して斗
籌を手にする身となった……。 それより三世、即ち彼の祖父に至る間は相当の資産を....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
月を重ねて大きなものを作るばかりが能事ではない。が、この大根気、大努力も決して算
籌外には置かれないので、単にこの点だけでも『八犬伝』を古往今来の大作として馬琴の....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
たがごときはその一例であろう。兵学者中に数学上の著述のあった者には山県大弐の『牙
籌譜』などもある。佐久間象山も数学に関係があったようである。 徳川幕府になって....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
する必要があったので、伊藤は専ら椿岳の米三郎を交際方面に当らしめた。 伊藤は牙
籌一方の人物で、眼に一丁字なく、かつて応挙の王昭君の幅を見て、「椿岳、これは八百....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
谷男爵をハイドパーク・ホテルに訪う。ときに、同氏に一詩を呈す。 不、納尽万邦経国
籌。 (君の旅はただの風月の遊びではない。欧州・米国を観察してすめらみことのはか....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
あすこを立てればここに無理があると、まあ我の知恵分別ありたけ尽して我のためばかり
籌るではなく云うたことを、むげに云い消されたが忌々しくて忌々しくて随分|堪忍もし....
「三国志」より 著者:吉川英治
て張良、蕭何のふたりは、どういう功に依って、高祖のかたわらに立つか」 「張良は、
籌を帷幄の中にめぐらして、勝ちを千里の外に決し、蕭何は国家の法をたてて、百姓をな....
「三国志」より 著者:吉川英治
があやつれよう。馬上でこそ口をきけ、いかに曹操たりとも、わが水軍に対しては、一|
籌を輸するものがあろう」 まず和平派の一論拠を、こう駁砕してから、 「また、よ....