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「籐椅子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

籐椅子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
が、静かにそれを拾い上げた。 「どうも有難《ありがと》うございました。」 女は籐椅子《とういす》を離れながら、恥しそうに会釈《えしゃく》をした。見れば球を拾っ....
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
、駄目《だめ》ですね。今度は念力もきかないようですね。はははははは。」 右隣の籐椅子《とういす》に坐っているのは英吉利《イギリス》人らしい老人である。顔は皺《....
十円札」より 著者:芥川竜之介
―――――――――― 翌日《よくじつ》の日曜日の日暮れである。保吉は下宿の古籐椅子《ふるとういす》の上に悠々と巻煙草へ火を移した。彼の心は近頃にない満足の情....
」より 著者:芥川竜之介
しそうな部屋の空気に、快い明るさを漂《ただよ》わしていた。 壁際《かべぎわ》の籐椅子《とういす》に倚《よ》った房子《ふさこ》は、膝の三毛猫《みけねこ》をさすり....
手紙」より 著者:芥川竜之介
上げましょうか?」 「いえ、これで結構です。」 僕はちょうどそこにあった、古い籐椅子《とういす》にかけることにしました。 「昨晩はお休みになれなかったでしょう....
」より 著者:芥川竜之介
した髪の毛も房ふさしていたのに違いなかった。わたしはこのモデルにも満足し、彼女を籐椅子《とういす》の上へ坐らせて見た後、早速《さっそく》仕事にとりかかることにし....
或る女」より 著者:有島武郎
といたずら者らしくこんなことを思っていた。が、田川夫妻が自分と反対の舷《げん》の籐椅子《とういす》に腰かけて、世辞世辞しく近寄って来る同船者と何か戯談口《じょう....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ある噴泉浴へ出かけた。蝋山教授と一郎とは、青々としたグリーンを眺められる休憩室の籐椅子に腰を下ろして、紅茶を注文した。こうして六人の同勢は三方に別れた。 大江....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
、なに存外安いよとか何とか、大に金のありそうな事を云ってすましている。それから、籐椅子に尻を据えて、勝手な気焔をあげていると、奥さんが三つ指で挨拶に出て来られた....
火薬船」より 著者:海野十三
虎船長の決心 こっちは、平靖号の船上。 虎船長は、不自由な身体を、船長室の籐椅子のうえにおいて、ぷんぷん怒っている。 その前には、ノーマ号へ派遣され、野....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
テルのように、豪華なものだった。 二人は、赤い絨毯をしきつめた大広間の真中に、籐椅子を向かいあわせて腰を下した。 「いかがですか、ハバノフさん。この飛行島をご....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
あ、静に――乱暴をしちゃ不可い。」 教授は敷居へ、内へ向けて引きながら、縁側の籐椅子に掛けた。 「君は、誰を斬るつもりかね。」 「うむ、汝から先に……当前じゃ....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
しに、 「いまだに、胸がどきどきするね。」 と、どうした料簡だか、ありあわせた籐椅子に、ぐったりとなって肱をもたせる。 「あなた、お寒くはございませんの。」 ....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
い湯殿の中で大きな声で流行歌などを歌いながらはいって、湯から上がると二階の縁側の籐椅子の上に寝ころんで、とろけそうな顔をして日向ぼっこをしている姿などを思い出し....
歯車」より 著者:芥川竜之介
合わせたように一度に空中へ逃げのぼって行った。…… 僕は妻の実家へ行き、庭先の籐椅子に腰をおろした。庭の隅の金網の中には白いレグホン種の鶏が何羽も静かに歩いて....