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籠む
「籠む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
籠むの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
へ…… が、それは段取だけの事サ、時間が時間だし、雨は降る……ここも出入がさぞ
籠むだろう、と思ったより夥しい混雑で、ただ停車場などと、宿場がって済してはおられ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
いなんだろう。 山霧の冷いのが――すぐ外は崖の森だし――窓から、隙間から、立て
籠むと見えて、薄い靄のようなものが、敷居に立って、それに木目がありそうに見える。....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
名にし負うアンジアン湖畔の夜半。小さい桟橋に繋いだ二隻のボートが、静かな暗にゆらりゆらりと揺れて、夕靄の立ち
籠むる湖面の彼方、家々の窓にともる赤い灯影、アンジアン娯楽場の不夜城はキラキラと....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
腹も、甘くなるまで、胸に秘めた思があった。 判官の人待石。 それは、その思を
籠むる、宮殿の大なる玉の床と言っても可かろう。 四 金石街道の松....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
つも残らず、七兵衛が台所にずらりと懸って未だ雫も留まらないで、引窓から朝霧の立ち
籠む中に、しとしとと落ちて、一面に朽ちた板敷を濡しているのは潮の名残。 可惜、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
なるか、雨になるか、日和癖で星になるか、いずれとも極ったら、瀬を造って客は一斉に
籠むのであろう。 とばかりにしてものの静けさよ。ここかしこの鉢植なる熱帯地方の....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
が、席でヌッと立って、尖った銀杏返で胸を突出して正面に向合った、途端であった。立
籠む霧が艶なる小紋を描いたような影が、私の袖から歩板へ衝と立って、立つと思うと、....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
山も、市も、岸も、波もめでたく明く、
彼神の御心に※へり。われ等の周囲を
霧立ち
籠むることなし。よしや忍びやかに
立つことあらむも、一照照り、一吹吹かば、島は
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