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籠もり
「籠もり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
籠もりの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名君忠之」より 著者:夢野久作
いた茶室を造って、お八代に七代とかいう姉妹の遊女を知行所の娘と佯って、妾にして引
籠もり、菖蒲のお節句にも病気と称して殿の御機嫌を伺わなんだ。馬術の門弟もちりぢり....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。 眠れ眠れと云うように、優しい夜風は尚吹いていた。しかし小鳥は啼き止んだ。巣
籠もり眠ったに相違ない。 有髪の僧の物語りは庄三郎には驚異であった。「人間は産....
「縮図」より 著者:徳田秋声
大審院まで持ち込まれ、審理中であるらしく、猪野はいつも憂鬱そうに、奥の八畳に閉じ
籠もり、酒ばかり呑んでいた。どうもそれが却下されそうな形勢にあるということも、銀....
「みちの記」より 著者:森鴎外
喘ぎ喘ぎ引くに、軌幅極めて狭き車の震ること甚しく、雨さえ降りて例の帳閉じたれば息
籠もりて汗の臭車に満ち、頭痛み堪えがたし。嶺は五六年前に踰えしおりに似ず、泥濘踝....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
まだ……助手を……お持ちに……ならないのでしょう……」 少年はこう言って急に口
籠もりながらじっと私の顔を見た。その黒い瞳は熱誠にまばたき、その白い頬は見る見る....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
た。紅茶を入れかけたままの白いエプロンの端を弄び弄び耳まで赤くなってしまった。口
籠もり口
籠もり云った。 「呉羽さんはアンマリ……アンマリ美し過ぎると思ったの……....
「白くれない」より 著者:夢野久作
に非ず。十二使徒の姿に紛れも無し。かゝる山間の、人の通ふとも見えぬ小径の奥に立て
籠もり、禁断の像を祭り居る今の和尚は、よも一筋縄にかゝる曲者にはあらじ。よし/\....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ないといわれる。それで遍歴するわけであります。それであらゆる遍歴をして、ながい間
籠もりきりでもって幾らやっても通じない。だからそれは強迫観念をもっていて、それを....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
ありませんので、とんと一向存じませんが、琢磨氏は学者で人格者、恐らく独身で書斎に
籠もり、その西洋の学問なるものを、勉強していることでございましょう。ええとそうし....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
贈ることになった。 柳営|絵所預りは法眼|狩野融川であったが、命に応じて屋敷に
籠もり近江八景を揮毫した。大事の仕事であったので、弟子達にも手伝わせず素描から設....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
たが、翌、寛永十四年に果然世に云う天草一揆が先ず天草に勃発し次いで島原の原ノ城に
籠もり幕府に抗するようになりました。 男女合わせて三万余人が籠城したので厶いま....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
の時一つの恐ろしい疑問が湧いたのであった。 彼は自分の家へ帰ると部屋の中へ閉じ
籠もり何やら熱心に考え出した。それから図面を調べ出した。江戸市中の図面である。 ....
「国境」より 著者:黒島伝治
塵芥のように、うようよと流れて行った。ある日、それが、ぴたりと動かなくなった。冬
籠もりをした汽船は、水上にぬぎ忘れられた片足の下駄のように、氷に張り閉されてしま....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
め、遂に勇を鼓してお受けすることになった。 かくて同年夏、会津の川上温泉に立て
籠もり日本文の参考資料に熱心に目を通した。もちろん泥縄式の甚だしいものであったが....