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「籠居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

籠居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
両氏に案内されて、飯坂摺上川の上流、穴原という幽閑の温泉場に行き、吉川屋畠氏方に籠居して執筆する事となった、楼は鬼斧の断崖に対し、眼下に碧流の深潭あり、鳥語水声....
阿部一族」より 著者:森鴎外
った。世間は花咲き鳥歌う春であるのに、不幸にして神仏にも人間にも見放されて、かく籠居《ろうきょ》している我々である。それを見舞うてやれという夫も夫、その言いつけ....
魚玄機」より 著者:森鴎外
ことが出来た。 陳は時々旅行することがある。玄機はそう云う時にも客を迎えずに、籠居して多く詩を作り、それを温に送って政を乞うた。温はこの詩を受けて読む毎に、語....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
柳(囃子) 野中氏は感激して岳父の希望通りこの一冊を友としつつ富士山頂に一冬を籠居したが、その時に「景清」の「松門謡」に擬した次のような戯れ謡が出来たといって....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
外出や行楽は必ず日曜祭日以外においてすることにきめている。そして花時や祭日は家に籠居してもって楽しみとする。 しかしながら私がもし酒がのめたとしたら、私もまた....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
である。 元来如何なる芸術品であっても制作というものは、昔から人を避けて一室に籠居し、専念その仕事に没頭する傾向あるべきものだが、近代の外光派以来、混雑の往来....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
味を失ってしまう。つい洗練された自分の芸術も出来上がり固まってしまうものだから、籠居して宝玉の製造をやり始めるが、情ないことには日本の展覧会は目下主として封切り....
源氏物語」より 著者:紫式部
れから衣類などを、目に立つほどにはしないで上品に分けてやった。 源氏はこうした籠居《こもりい》を続けていられないことを思って、院の御所へ今日は伺うことにした。....
水の女」より 著者:折口信夫
あるから「ながめ忌み」とも「雨づゝみ」とも言うた。後には、いつでもふり続く雨天の籠居を言うようになった。 このながめいみの姿なのである。....
狸と俳人」より 著者:田中貢太郎
嫁らず時どき訪れて来る俳友の他には、これと云って親しく交わる人もなく、一人一室に籠居して句作をするのを何よりの楽しみにしていた。 某年の晩秋の夕のことであった....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
あり、ひそかに復讐の機を待って、十三年の歳月を過した。ウオルムスの城内に、鬱々と籠居して、爪をとぎ、復讐の機を狙うクリームヒルト……。 そうして、「ニーベルン....
人形芝居に関するノオト」より 著者:竹内勝太郎
た声を聞けば何人も遠く、幼い日の生活を思い出さずにはいられないだろう。私は室内に籠居する仕事の疲れを休める為に、秋の晴れた午後はよく街や郊外の森を散歩して廻った....
三国志」より 著者:吉川英治
偵察の者も、黄忠のことばを裏書きしている。果断をとって、ついに※城の軍は、百日の籠居を破って出た。 もちろん、夜陰奇襲したのである。案のじょう野陣の寄手はさん....
三国志」より 著者:吉川英治
。ときに彼は四十七歳、蜀の建興五年にあたっていた。 孔明は門を出た。久しぶりに籠居を離れて、朝へ上ると、彼は直ちに、闕下に伏して、出師の表を奉った。 後主|....
三国志」より 著者:吉川英治
ってきた。 こういう状況をつぶさに見てきた司馬懿の長男の司馬師は、或る日、父の籠居している営中の一房をのぞいて、 「おいでですか」と、入ってきた。 仲達は、....