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「籬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

籬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
りたいようにもいらいらして来た。 背中合せの松飾りはまだ見えなかったが、家々の籬《まがき》のうちには炉を切って、新造や禿《かむろ》が庭釜の火を焚《た》いていた....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
でもあるまい、と階下で気を着けたか茶飯の結びに、はんぺんと菜のひたし。……ある大籬の寮が根岸にある、その畠に造ったのを掘たてだというはしりの新芋。これだけはお才....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
あてもなくあこがれているとだれが知っていよう。 花を理想的に愛する人は、破れた籬の前に座して野菊と語った陶淵明や、たそがれに、西湖の梅花の間を逍遙しながら、暗....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
めてしまっても差支えがない。 仙台市の町はずれには、到るところに杉の木立と槿の籬とが見られる。寺も人家も村落もすべて杉と槿とを背景にしていると云ってもいい。伊....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
イヤの煽に散った。四日町は、新しい感じがする。両側をきれいな細流が走って、背戸、籬の日向に、若木の藤が、結綿の切をうつむけたように優しく咲き、屋根に蔭つくる樹の....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ているが、すぐ磧で、水は向う岸を、藍に、蒼に流れるのが、もの静かで、一層床しい。籬ほどもない低い石垣を根に、一株、大きな柳があって、幹を斜に磧へ伸びつつ、枝は八....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
京へ連れて遁げると、旅籠住居の気を換える見物の一夜。洲崎の廓へ入った時、ここの大籬の女を俺が、と手折った枝に根を生す、返咲の色を見せる気にもなったし、意気な男で....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
かかるように目に映ると、同時に、そこに言合せたごとく、人影が顕われて、門に立ち、籬に立つ。 村人よ、里人よ。その姿の、轍の陰にかくれるのが、なごり惜いほど、道....
「露肆」より 著者:泉鏡花
として、娑婆を見物、という澄ました顔付で、当っている。 露店中の愛嬌もので、総籬の柳縹さん。 すなわちまた、その伝で、大福｜暖いと、向う見ずに遣った処、手遊....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ことに不思議な力を有っているものらしく、これが初対面であり乍ら、相互の間の隔ての籬はきれいに除り去られ、さながら血を分けた姉妹のように、何も彼もすっかり心の底を....
「荘子」より 著者:岡本かの子
に聴えた。田野には低く夕靄が匍って離れ離れの森を浮島のように漂わした。近くの村の籬落はまばらな灯の点在だけになり、大梁と思われる地平線の一抹の黒みの中には砂金の....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
はそのまま袖のなかへすべり込ませた。安っぽい銀簪。なんだ菊が彫ってある。小癪にも籬が彫ってある。汚い油垢が溜って居る。それで居て、これを見ると恋しいのはどういう....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
た机の前、縁の彼方に彳む風情。月出でたらば影動きて、衣紋竹なる不断着の、翁格子の籬をたよりに、羽織の袖に映るであろう。 内の小庭を東に隣って、次第に家の数が増....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
、路は極めて平坦で、雑木が茂っているあいだに高い竹藪がある。槿の花の咲いている竹籬に沿うて左に曲ると、正面に釈迦堂がある。頼家の仏果円満を願うがために母政子の尼....
「古事記」より 著者:太安万侶
さいませ」と言つて、その船を踏み傾けて、逆樣《さかさま》に手をうつて青々とした神籬《ひもろぎ》を作り成してその中に隱れてお鎭まりになりました。 そこで大國主の....