米の飯[語句情報] » 米の飯

「米の飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

米の飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、こちらもどこかの新聞を手に入れて田川夫人に致命傷を与えてやろうかという(道徳を米の飯と同様に見て生きているような田川夫人に、その点に傷を与えて顔出しができない....
世相」より 著者:織田作之助
ぬと諦めていたし、日本人はみな藷ばかり食べていると聴いて帰ったのに、バラックで白米の飯を売っているとはまるで嘘のようであった。値をきくと、指を一本出したので、煙....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
いつかも知れんぞ。飢饉で増えたのは畑泥棒ばかりじゃ。 おきん 大根やって、今年は米の飯よりも大事じゃ。百本ばかりある大根が、冬中のおもな食物じゃけになあ。 甚三....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、免職されたア、失恋したアなどという眼から出る酸ッぱい青臭い涙じゃ無い。忠三郎の米の飯は四十二万石、後には百万石も有り、女房は信長の女《むすめ》で好い器量で、氏....
老夫婦」より 著者:黒島伝治
るまで、がつ/\鍬を手にして働かねばならなかった。それよりは都会へ行って、ラクに米の飯を食って暮す方がどれだけいゝかしれない。 両人は、田舎に執着を持っていな....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うのはみんなオレ同様、野良犬だ。坊主や菓子屋は白米もヨーカンもたべられる。貴様も米の飯がたべたいなら、オレのウチにいるな」 しかし、ミネもそのときは必死であっ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
主食はクラシックで、この節毎日のように遣っている粉食はロマンチックだ。いいかね。米の飯は国粋かね。先ず固有なもので、メリケン粉の蒸パンは外来的のものだ。少し当ら....
田舎から東京を見る」より 著者:黒島伝治
う。田舎で流行にはずれていると、バルザックや、ドストエフスキーや、トルストイは、米の飯である。なんべん読みなおしてもあきることがない。 先日思いがけなくT君が....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
できる。町で人間どもの面相など見ていたって、腹のタシにならない。 山にいると、米の飯はめったに食えない。しかし城下の町人どもは、米の飯を食わないことには馴れて....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
煙草を売っている。金さえ持って闇市場へ行けば、いつでも、たとえ夜中でも、どこかで米の飯が食べられるし、煙草が買えるのである。といえば、東京の人人は呆れるだろうか....
」より 著者:犬田卯
ないかなどは確かめもせず。それから彼女は調子を改めて、「今日は勇がかえったから、米の飯でも、それでは炊くべ。碌な米だねえけんど、外米よりはまさか旨かっぺから。」....
夜光虫」より 著者:織田作之助
値をきくと、十五円だという。 「高い!」 と、思う前に、小沢はとにかく外で米の飯が食えるという意外な発見に、気持が浮き立っていた。 十五円という金がこの....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
これも或る時、ドウいう咄の連続であったか忘れたが、例の通り清貧咄をして「黒くとも米の飯を食し、綿布でも綿の入った着物を着ていれば僕はそれで満足している」と得々と....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
一緒に巡礼にやって来た。ところで自分の国の方では食物が沢山あって値も安いから毎日米の飯を喰って居る。また麦も沢山ある。しかるにラサ府の方へ参りますと食物が非常に....
日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
があるのである。 米のことが出たついでに言うのではないが、今の料理人に、果して米の飯を完全に美味く炊ける人があるだろうかという問題については、私はこれを危ぶま....