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「米代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

米代の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
激の涙の中へ身を隠した。そこには一月六円の間代《まだい》もなければ、一升七十銭の米代もない。カルメンは電燈代の心配もなく、気楽にカスタネットを鳴らしている。浪子....
二老人」より 著者:国木田独歩
て行けないはずはないと主張するのである。むろん食うに食われない理屈はない、家賃、米代以下お新の学校費まで計算して、なるほど二十五円で間に合わそうと思えば間に合う....
縮図」より 著者:徳田秋声
ていることを、一層はっきり知らされた。 「お父さんとお銀ちゃんの稼ぎじゃ、やっと米代だけだよ。お菜代がどうしたって出やしないんだからな。」 母は言い言いした。....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
残らず投げ出せば、入口でうろうろしている三人は、ああ、あの金は利左の妻子が今夜の米代としてあてにして、いまごろは鍋を洗って待っているだろうに、おちぶれても、つま....
モルモット」より 著者:細井和喜蔵
運命まで闘う覚悟して居った。そしてそのために、妻はカフェーの女給に行ってチップで米代を稼いで来るのだった。 二 工場地帯をすっかり出離れて了った....
」より 著者:金子ふみ子
ちは黙々と坂道を上っていた。 「おいちょっと待て」 父の声である。私たちは父が米代をもって来てくれたのだと思って急に明るい心になった。ところが実際はそうではな....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
胃の薬である、金持ちの家は薬代にも困らぬが、まずしき家では一日分の薬価は一日分の米代に相当する。お美代は毎日薬を飲むたびにもったいないといった。 ある日千三は....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
い処を珍らしい処をと漁って歩いた。なろうならば、何もしたくないのだから、家賃とか米代とか、お母さんに酷しく言われるものは、拠なく書き物をして五円、八円取って来た....
次郎物語」より 著者:下村湖人
俸給を当てにしてもらうことにするよ。」 「すると、いかほどですの?」 「大たい、米代ぐらいはあるだろう。」 「はっきりおっしゃって下すっても、いいじゃありません....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
一番高いのが、洋服仕立の四十銭だ。(和服仕立は十九銭)。夫婦に子供一人の生活で、米代が一升十銭、薪炭代一銭、肴代二銭五厘、家賃一銭五厘、石油代五厘、布団損料一銭....
だいこん」より 著者:久生十蘭
かね。そんな心配はない。午前八時に各国代表が到着する。それから連合国最高司令官と米代表……九時に日本代表……マックァサーの式辞があってから信任状提出。つづいて署....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
しかりける時 米の泉なほたらずけり歌をよみ文をつくりて売りありけども 彼が米代を儲《もう》け出す方法はこの歌によりてやや推すべし。(「泉」は「ぜに」と読む....
五色蟹」より 著者:岡本綺堂
心でして、夜なんかは怖いようでございます。」 いくら第二流の温泉宿で、座敷代と米代と炭代と電燈代と夜具代だけを支払って、一種の自炊生活をしている女学生らに対し....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
の女の児が、風呂敷包みを下げてお米を少し小買いに来たのだったが、その時、女の児が米代としておいて行ったのがこの小判だった。豆店の新参ものの女からこんな見事な小判....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
せるに限ると思う、自分は平野地で生活が出来なくなったら、この谷へ引込んで、養蚕で米代を取って、蕎麦や粟の岡物で補うて、小出方面で蕨や蕗がなくなる頃に、蕨や蕗がこ....