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「米価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

米価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道楽と職業」より 著者:夏目漱石
ばせておけば一日の損である。二日遊ばせておけば二日の損である。ことに昨今のように米価の高い時はなおさらの損である。一日も早く職業を与えれば、父兄も安心するし当人....
面白き二個の広告」より 著者:堺利彦
焚法」と題するものは、「ある作用によりて飯を四割以上増殖する焚き方なり」とて、「米価大騰貴の際、各戸一日も欠くべからざる発明」と言えり。かくのごとき広告をなす者....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ですからなア」 人々の間にこんな話が交換された。水車小屋の亭主は地主に向って、米価のことを話し合って、やがて下駄穿のまま籾の上を越して別れて行った。 「どうだ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て来た。江戸の方を見ると、参覲交代廃止以来の深刻な不景気に加えて、将軍進発当時の米価は金壱両につき一斗四、五升にも上がり、窮民の騒動は実に未曾有の事であったとか....
富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
めて聞いていた。 「―県の―は、米を二千石持っておったが、この頃の旱魃と虫害で、米価があがり、隣境から糴がこなくなって、餓死人が出来たので、倉を開いて賑わしたが....
社会時評」より 著者:戸坂潤
車をかけた。それが軍部と何の関係があるかと云うかも知れないが、この凶作を見越した米価の極度の騰貴は、持米を売り払ったり食いつくして了ったりしている全国の貧農民(....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
俵の米が浮く。五千俵の米がお前、価《ね》に踏んでいくらになると思う、近年のように米価の変動が烈しくっちゃあ、勘定をしても間《ま》に合わねえが、かりに一俵一両とし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
世紀聞」という本に、その時代のことをこんなふうに書いてあります。 「是より先、米価次第に沸騰して、既に大阪市中にては小売の白米一升に付《つき》銭七百文に至れば....
掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
ではなかった。欧州大戦争の影響として凡ての経済状態が根本から覆った余波を受けて、米価も奔騰し、政府の干渉にも拘らず、先物《さきもの》三十円を突破する乱調な相場を....
群集」より 著者:豊島与志雄
身を避けた。歩道に溢れた者は遠くへ逃げてしまった。 善良な穏かな群集だった。「米価騰貴」に困難を感じているらしい顔や「不安」に襲われているらしい顔は、一つも見....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
みらるるものではない。この一例をもってみても諸色《しょしき》が上がるの下がるの、米価が騰貴《とうき》したために貧民《ひんみん》が困《くる》しむの、あるいは暴徒が....
議会見物」より 著者:佐藤垢石
俊雄だ。この人間の態度と答弁が、最も要領を得ていると思った。百戦錬磨の功がある。米価は今後決して引き上げないと、きっぱりいってのけた。ほかの大臣は、何事も口の先....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
しる。酒一升七十文、するがより五文たかし。殿様今日御城へ御入也。酒一升七十文は、米価に比するに大抵五倍の差あり、酒価の古記に見えしものを参考するに、余り貴きに似....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
抜けっちまア……」 だが、抜けるどころか、一年ならずして親父には死なれ、待望の米価は、ことに浜口緊縮内閣の出現によって一俵七円に下り、繭のごときは一貫二円とい....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
参らなければなりません。しかるに、吉田内閣の政策は、労働者には低賃金、農民には低米価、中小企業者には重税、貿易政策においてはまったく計画性を持たず、特需、新特需....