米塩[語句情報] » 米塩

「米塩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

米塩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、網をおろす場所の海底の模様、大釜を据えるべき位置、桟橋の改造、薪炭の買い入れ、米塩の運搬、仲買い人との契約、肥料会社との交渉‥‥そのほか鰊漁の始まる前に漁場の....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
を一貫して、全然、実社会と無関係な仕事に捧げ終った。名聞を求めず。栄達を願わず。米塩をかえりみずして、ただ自分自身の芸道の切瑳琢磨と、子弟の鞭撻に精進した……と....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
くさるゝならば、『我は小説家たるを栄とす』という声言は寧ろ滑稽であろう。 『我は米塩の為めに書かず』というは文人としての覚悟として斯うなくてはならぬ。又文人に限....
入社の辞」より 著者:夏目漱石
《おちい》ったのである。 新聞社の方では教師としてかせぐ事を禁じられた。其代り米塩《べいえん》の資に窮せぬ位の給料をくれる。食ってさえ行かれれば何を苦しんでザ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
彼奴娘の血を吮うて居るわと蔭言され、流石の奸物も此処面白からず、荒屋一トつ遺して米塩買懸りの云訳を家主亀屋に迷惑がらせ何処ともなく去りける。珠運も思い掛なく色々....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
社会的には一日毎に世人がらその姓名を忘られてゆく身の上であり、物質的には辛うじて米塩に事欠かぬ程度の貧乏人であるから、他人から、粗末に取扱われた場合、今までは気....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
を運転させて、どこまでも教育家らしい店構えを張りつづける覚悟でいた。いや、たとい米塩の資に窮さないにしても、下手は下手なりに創作で押して行こうと云う気が出なかっ....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
り、渠は活計の趣向を変えつ。すなわち先のごとくにして軒ごとを見舞いあるき、怜悧に米塩の料を稼ぐなりけり。 渠は常にものいわず、極めて生真面目にして、人のその笑....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を聞いて、武田に使を送って曰《いわ》く、吾と君と争うところのものは武勇にあって、米塩にあらず、南人もし塩を送らざれば北塩を以て君に供せん――といって価《あたい》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
住んでいないという証拠もたしかです。 米友は遠慮なく、中へ入って調べてみると、米塩があり、炊爨具《すいさんぐ》があり、経机があり、経巻があり、木魚があり、鉦が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、市中並びに人馬の喧噪からは相当隔離されているし、そうかといって、煙塵を絶ち、米塩に事を欠くほどに浮世離れはしていないのですから、かりそめの閑者を扱うためには....
霊感」より 著者:豊島与志雄
べて従うことにしました。 そしてその後、身禄山の碑の前には、誰がするともなく、米塩の供物が絶えませんでしたが、それがいつまで続くかは分りかねます。ただ、身禄山....
『鉢の子』から『其中庵』まで」より 著者:種田山頭火
することが出来た。そしてさっそく『三八九』を出すことになった、当面の問題は日々の米塩だったから(ここでもまた、井師、緑平老、元寛、馬酔木、寥平の諸兄に対して感謝....
雑記」より 著者:種田山頭火
。 本集を発送したら、久しぶりに行乞の旅に出かけるつもりです。時々行乞しないと米塩にも困りますが、それよりも人間が我儘になって困ります。どの方角へ向うかは、ま....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
の状態にあった。 ちょうどこの時分、父の訃に接して田舎に帰ったが、家計が困難で米塩の料は尽きる。ためにしばしば自殺の意を生じて、果ては家に近き百間堀という池に....