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「米屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

米屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
皆酔っているらしい。幕の間から、お揃いの手拭を、吉原《よしわら》かぶりにしたり、米屋かぶりにしたりした人たちが「一本、二本」と拳《けん》をうっているのが見える。....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
の湊町《みなとちょう》辺にあった話です。何でも事の起りは、あの界隈《かいわい》の米屋の亭主が、風呂屋で、隣同志の紺屋の職人と喧嘩をしたのですな。どうせ起りは、湯....
捨児」より 著者:芥川竜之介
うです―― 「ちょうど今から五年以前、女の夫は浅草田原町《あさくさたわらまち》に米屋の店を開いていましたが、株に手を出したばっかりに、とうとう家産を蕩尽《とうじ....
将軍」より 著者:芥川竜之介
の少尉の手に、するすると一方へ引かれて行った。 舞台は日本の室内だった。それが米屋の店だと云う事は、一隅に積まれた米俵が、わずかに暗示を与えていた。そこへ前垂....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
気味の悪いのは、三本指、一本脚。 厠を覗く尼も出れば、藪に蹲む癖の下女も出た。米屋の縄暖簾を擦れ擦れに消える蒼い女房、矢絣の膝ばかりで掻巻の上から圧す、顔の見....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
々のために存在しているような感のあるお湯や、郵便局、荒物屋、味噌醤油酒を売る店、米屋などが、一軒ずつ細々と暮しを立てているだけだった。その中で、最も新しい店の一....
蠅男」より 著者:海野十三
すか、お手伝いさんとか」 「そんなものは一人も居らへんということだす。尤も出入の米屋さんとか酒屋さんとかがおますけれど、家の中のことは、とんと分らへんと云うとり....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、八百屋、駄菓子屋の店は見えたが、鴉も居らなければ犬も居らぬ。縄暖簾も居酒屋めく米屋の店に、コトンと音をさせて鶏が一羽|歩行いていたが、通りかかった松崎を見ると....
」より 著者:岡本綺堂
ふとあることを思いついた。それはあたかも日曜日の朝であったので、父はすぐに近所の米屋をたずねた。 米屋は前にいったような事情で、わたしの家を昔の持主から譲りう....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
事でもありそうな不安なにおい。 もちろん、それは湯屋の煙突の煙りのにおいだが、米屋の角を出て広い市の電車通りに出ても日本の都特有の不安な気持ちはあの煙のにおい....
三枚続」より 著者:泉鏡花
てまた額の汗を。見る処人形町居廻りから使に頼まれたというが堅気の商人とも見えず、米屋町辺の手代とも見えず、中小僧という柄にあらず、書生では無論ない。年若には似な....
式部小路」より 著者:泉鏡花
をして、新内がよく出来て、相応に売った婦人でしたが、ごくじみな質で、八幡様|寄の米屋に、米搗をしていた、渾名をニタリの鮟鱇、鮟鱇に似たりで分かる。でぶでぶとふと....
妖怪学」より 著者:井上円了
なり。 また、世間に用うる符丁のごときも、この縁起、マジナイと一様のものなり。米屋の符丁は、一、二、三などの代わりに、「アキナイタカラブネ」の語を用う。すなわ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
えなくて、九時過ぎまでも社員が待たされた事が珍らしくなかった。随って社員は月末の米屋酒屋の勘定どころか煙草銭にもしばしば差支えた。が、社長沼南は位置相当の門戸を....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ある。 これまで別家した二人の奉公人のうち、友七さんはしょう油屋を、もう一人は米屋を営んでいずれも川西家に納めていた。二人とも二十年も奉公した末がこんなふうな....