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米所
「米所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
米所の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
れられて、つい二三町ほど隔っている大家の家へ遊びに往った。そこはこの町の唯一の精
米所でもあり、金持でもあった。大きな門を入ると、水車仕掛の大きな精
米所が、直にお....
「新種族ノラ」より 著者:吉行エイスケ
ってきてもらう。霖雨《りんう》の来らんことをたえず願う。工業的騒音を好まざれど精
米所の音響と、投機的熱狂を繰りかえす。フランス人にたいする人種的、嫌悪。そしてカ....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
経な動物のように野良で働きつゞけた。働くということ以外には、何も考えなかった。精
米所の汽笛で、やっと、人間にかえったような気がした。昼飯を食いにかえった。昼から....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
りのない狭い往還を北に向って歩み出した。半分ガラス戸のしまった理髪店。雑貨屋。精
米所。商売をしていない菓子店。旅人宿。そういう店々が両側に一並び軒を連ねている。....
「夜の靴」より 著者:横光利一
していることを、何もかも知っとるでのう。おれだけが知っとるのじゃ。おれは、村の精
米所の台帳を預っておるので、それを別に細かにみんな書き写して持っとる。どこにどれ....
「贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
った。「この近所に動力を使っている所がありますか」 「ああ、あるよ。この向うの精
米所と、それからこっちの機織場と。妙な事を聞くね」工夫の一人は不審そうに森君を見....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
あ、何とかして地殻設備は完全にするつもりだ、一たい農業も、自家で取り上げた穀を精
米所へやって搗かせるのでは徹底しない、砂を入れて搗くとか、ゴムロールは胚芽の精分....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
からとぶらいせんならんからのう。成程ねえ。そうならかえられっこないわねえ。秋本精
米所のおじさんは心持のいい人だが、おかみさんを失ってまるで病人かと思う程げっそり....
「山吹の花」より 著者:豊島与志雄
は半白で、顔中皺だらけだが、背が高くて頑丈そうだった。乾物問屋のワカメ束ねだの精
米所の麻袋繕いや飯焚きだのに働いたこともあるそうだ。だが、言葉は丁寧で、料理の心....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
ことゝ心待ちに待っていたが、四五日しても挨拶がない。買って来たのは玄米らしく、精
米所へ搗きに出しているのが目につく。ある一人の女が婉曲に、自分もその村へ買い出し....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
着物でも、くれるやろか。もっと汚れたのと、着更えて行ったろ」
と、頑強な男が施
米所へ走り出した。
そういう人々は、鬨の声、火の手、煙――それから、本当の窮民....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
の薄闇の中から、いくつも手が出る。それがすすきの穂でもそよいでいるように見える。
米所の酒田や新庄から下ってくる運送をここで待ち受け、ひと握りの米の奉謝にあずかろ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
阪の市中を走り回り、煙突のあるところをみれば石炭の売込みに飛び込んだ。ふろ屋、精
米所、ガラス屋から、日立造船の前身である大阪鉄工所、稲畑染工所、尼崎汽船などの大....