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米相場
「米相場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
米相場の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鉄鎚」より 著者:夢野久作
非常に面白かった。前にも書いた通り叔父は大変な嘘吐きで、よくお客に中華民国の暦と
米相場の高低表を並べて見せて、この日は仏滅だからこの株が下った。この時は日柄が三....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
って美術学校を出たのが居る。後家さんの男妾になって専門学校に通っているのがある。
米相場が名人で親仁《おやじ》にしかられしかられ語学をやっているのが居る。養子政略....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は米取引の一大市場であった。次第に商法も手広くやるころの二代目惣右衛門は、大坂の
米相場にも無関心ではなかった人である。彼はまた、優に千両の無尽にも応じたが、それ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
やらを、一朝に引き下げておしまいになると、お名前が上下にぱッと輝くばかりか、関東
米相場の神さまにもお成りになり、一挙に、江戸一の勢いをお示しになれるに相違ないに....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
の月の天候を予測するようなことも、全く不可能ではないかもしれない。 同じように
米相場や株式の高下の曲線を音に翻訳することもできなくはないはずである。 たとえ....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
ようたし》であった。伊勢屋八兵衛の名は、横浜に名高かった天下の糸平と比べられて、
米相場にも洋銀《ドル》相場にも威をふるったものであった。兼子は十二人の子女の一人....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
が乗客はやはり増すばかりなり。隣りに坐りし静岡の商人二人しきりに関西の暴風を語り
米相場を説けば向うに腰かけし文身の老人御殿場の料理屋の亭主と云えるが富士登山の景....
「夏」より 著者:寺田寅彦
がこの騒ぎを眺めながら「またお米があがったそうな」といった。聞いてみると、それは
米相場をやる人の家で、この家の宴楽の声が米の値段のメートルだというのであった。 ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
出立の一両日前、重井、葉石、古井の三氏および今回出資せる越中《えっちゅう》富山の
米相場師某ら稲垣と共に新町遊廓に豪遊を試み、妾も図《はか》らずその席に招かれぬ。....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
にはなかなか熱心であった、お内儀さんもしっかりしていたと誰もが皆言う。それがふと
米相場に手を出し、ずるずるとそちらの方に引張られて行って損に損を重ね、とうとう債....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
気な世渡りをするにゃ当らねえぜ。早い話が、俺の師匠みたいに、絵を描いても、堂島で
米相場をやっても、そんなことあ、出来ら」 「ふん……大きに。だが、それじゃ一体、....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
心地の私はふろ敷包みをだいて、てくてくとあとに従ったが『あれが三井銀行や、ここが
米相場のたつところや』と教えられても、疲れ切った私はうなずくことさえ忘れている有....