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米蔵
「米蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
米蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
、春になっても、柳も見えねば桜も見えない。内の塀の上から真赤な椿の花が見えて、お
米蔵の側《そば》の臭橘《からたち》に薄緑の芽の吹いているのが見えるばかりである。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
んの言い草がいいじゃないか。半蔵に問屋場を預けて置くのは、米の値を知らない番人に
米蔵を預けて置くようなものだとさ。あの人の言うことは鋭い。」 「まあ、栄吉さんも....
「家」より 著者:島崎藤村
えていた。家を堅くしたと言われる祖父が先代から身上を受取る時には、銭箱に百文と、
米蔵に二俵の貯えしか無かった。味噌蔵も空であった。これでどうして遣って行かれると....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ます。 ところで、この蔵前という土地は、江戸でも名代な場所――此所には徳川家の
米蔵が並んでいる。天王橋寄りが一ノ口、森田町の方が中ノ口、八幡町に寄って三ノ口と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りゃ」 と言って吃《ども》りました。吃った時分には、いま米友が見かけた人影は、御
米蔵《おこめぐら》の蔭へ隠れてしまいました。その人影の隠れた御
米蔵をめざして、米....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
であります。 御本丸から始めて天守台、櫓々、曲輪曲輪《くるわくるわ》、門々、御
米蔵、役所、お目付小屋、徽典館《きてんかん》、御破損小屋、調練場の掃除や、武具の....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
の分も、金にし貸りてしまうので、よこす米がないってわけさ。浅草のお蔵前に、幕府の
米蔵をあずかっている商人があってね、旗本の咽喉《のど》を押えつけたのさ。そこから....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
そりと静まって、石垣の根を洗う河音がそうそうとあたりを占めていた。
あさくらお
米蔵《こめぐら》の裏手。
一番から八番まで、舟入りの掘割《ほりわり》が櫛の歯の....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
は井生森又作、家根屋清次(左団次)春見丈助(権十郎)娘おいさ(莚女)清水重次郎(
米蔵)姉おまき(秀調)で、左団次と秀調が初演以来の持ち役であるために、この狂言が....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
まであった。 上野広小路に救い小屋を設けて、幕府では貧民を救助した。また浅草の
米蔵を開いて籾を窮民に頒ったりした。しかしもちろんこんな事では日々に増える不幸の....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
、それでも尋ねられることに対しては皆、ひと通りの答弁をしたのである。彼は本所の御
米蔵のそばに小屋敷を持っている稲城八太郎の奉公人で、その名を伊平といい、上総の八....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
《くい》を洗って流れる黒い水が、ざぶうり、ざぶり――音を立てている。 対岸はお
米蔵、屏風《びょうぶ》を立てならべたような甍《いらか》が起伏しているなかに、火見....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
っと》を待っていた女房のお若も間もなく御用の声を聞いた。 翌る十二日の槍祭、お
米蔵は三吉の渡し、松前志摩殿の切立石垣《きりだていしがき》に、青坊主の水死人が、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
られるくだりとの二場、主なる役割は左団次の悪源太義平、市川権十郎の平重盛、市川|
米蔵の重盛妹花咲姫などであった。わたしの知っている限りでは、局外者の作物が何らの....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
み留まりし同座も、遂に下谷|二長町に移転したるなり。舞台開きには左団次、小団次、
米蔵、家橘、権十郎、秀調ら出勤。二番目の「松田の仇討」好評。 ○一月、市川右団次....