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米銭
「米銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
米銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
に困窮しても、寺納を減らして貧民を救おうと思う和尚はない。凶年なぞには別して多く
米銭を集めて寺を富まそうとする。百姓に餓死するものはあっても、餓死した僧のあった....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
り。 奇絶なる鼻の持主は、乞丐の徒には相違なきも、強ち人の憐愍を乞わず、かつて
米銭の恵与を強いしことなし。喜捨する者あれば鷹揚に請取ること、あたかも上人が檀越....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
千に過ぎないと言う。軍勢をはかるには、京大阪の町人共が算盤《そろばん》の上で金銀
米銭の算用をするような了見では相成らぬ、なるほど、上方勢十万も十五万もあるだろう....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
に貧民救助とて、人物の良否を問わず、その貧乏の原因を尋ねず、ただ貧乏の有様を見て
米銭を与うることあり。鰥寡《かんか》孤独、実に頼るところなき者へは救助も尤《もっ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
は褒められても淋しかった。『其面影』や『平凡』は苦辛したといっても二葉亭としては
米銭の方便であって真剣でなかった。褒められても貶されても余り深く関心しなかったろ....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
が、これは付近の産所という部落の賤民が、西の宮の夷様の像を舞わして諸国を遍歴し、
米銭を貰って生計としたのが本だと存じます。しかし後には立派な操人形の座元が出来ま....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
商人、店売商人となる。或いは遊芸を事として、人の門に立ち、または路傍に技を演じて
米銭を貰うという、いわゆる移動芸術家、街上芸術家となる。もちろんその婦人には、淫....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
えて、聞く者に福を授けるということは、いわゆるホカイビト(乞食)が祝言を唱えて、
米銭を得るのと同一の所行と解すべきものである。 さればその所行の問題はしばらく....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
は、十分に生活を続けて行くことができません。そこで気の利いたものは、遊芸を演じて
米銭を貰う、あるいは婦人は婬を鬻ぐ、この輩が遊芸者や遊女などになるのです。遊芸者....