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籾殻
「籾殻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
籾殻の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
蟹は穴の中に、臼は台所の土間《どま》の隅に、蜂は軒先《のきさき》の蜂の巣に、卵は
籾殻《もみがら》の箱の中に、太平無事な生涯でも送ったかのように装《よそお》ってい....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
る。この厠についてもちょっと言うが、世子の大便所は引出しの如きものになっていて、
籾殻が底に敷いてある。そうして一回一回大便を捨ててしまうので、御下男といって最下....
「鴫つき」より 著者:寺田寅彦
下へ行って見ましょ。」小津神社の裏から藪ふちを通って下へ下へと行く。ところどころ
籾殻を箕であおっている。鶏は喜んであっちこちこぼれた米をひろっている。子供が小流....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
るのは、細井や小坂子の山村の数々か、それとも松林か。 真冬の赤城は、恐ろしい。
籾殻灰のように真っ黒な雲が地蔵ヶ岳を掩うと、有名な赤城颪が猛然と吹き降りてくる。....
「愚かな男の話」より 著者:岡本かの子
に止まった。そこで男は知人に其の塗り方を訊いてみた。知人が言うには、此の壁は土に
籾殻を混ぜて塗ったので斯う丈夫に出来たのであると答えた。 愚な男は考えた。土に....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
、こなれた絵を自在に描きます。用いる釉薬は他に例がなく、珊瑚礁から得られる石灰と
籾殻とを焼いて作ります。おっとりした調子で、白土の上にでも用いますと、支那の宋窯....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
がわるい眼が悪いといいながら、そんな暗れえとこでいつまで、仕事してるだ」 薪や
籾殻の散らかっている隅の暗がりから、途方もない大声でいう者がある。 次の気配に....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
すでにこの「地がら」をもそう謂っていたのである。次には挽木を取附けた籾摺臼、是は
籾殻を出すので殻臼だなどと謂う説もあるが、根っから当てにはならない。いずれにもせ....
「九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
》は、どうしてやるのか忘れたが、とにかく焼き上った時は鈍い黄色をしている。それを
籾殻《もみがら》で力一杯|擦《こす》るのである。すると、だんだん気持のよい光沢が....