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粉炭
「粉炭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粉炭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
また訊いた。 「妹がおりましたが、一両日前にほかへやりました」と、栄之丞は火鉢に
粉炭《こなずみ》をつぎながら答えた。 「おかたづきになりましたか」 「いえ、奉公....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
自分の店へ髪を結いに来たのでないことは甚五郎も初めから承知しているので、かれは
粉炭《こなずみ》を火鉢にすくい込んで、半七の前に押し出しながら話しかけた。 「親....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
か月に二十日以上は、どんないい体格の者にも続けられないのであった。そして、彼らは
粉炭を呼吸するのだ。 しかし、よかった。一切がわからなかった。一切が知られなか....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
凍えるようになって通った。行くと、先生のお母さんが寒そうな風をして、小さな火鉢に
粉炭を少し入れて来て、それをふうふう吹いて火をおこしてくれた。僕は先生のこのお母....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
って行くあてはないのだけれども、一応母を連れ出してよく話をしなければならぬ。私は
粉炭《こなずみ》を火鉢の中に敷いて、火をこっぽりと埋めて、やかんをかけておいた。....
「斜坑」より 著者:夢野久作
迫り近付いて来た。そうして中腰になったまま固くなっている福太郎の胸の上に、濡れた
粉炭の堆積をドッサリと投掛けて、一堪りもなく尻餅を突かせると、その眼の高さの空間....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
いつも涙をためてそれをきたないてぬぐいでふきふきするのであった。まずかまどの下に
粉炭をくべ、上に鉄の板をのせる。板にはたいのような形が彫ってあるので、じいさんは....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
オウトミイルに首を突っ込み、ヘルメットを頭に、追い立てられるようにA甲板へ出る。
粉炭の濃霧を通して、ポウト・サイドは砂漠の蜃気楼だ。 そして甲板は、いつの間に....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
おい、牛肉と山高帽・牛肉と山高帽。そして、above all ――テムズを撫でる
粉炭の風。 いまの倫敦は、町も人も、人のこころもあまりに横にひろがり過ぎている....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
って初代の伝記に興味を感じるようになったのであろう。初代の塩原多助が江戸へ出て、
粉炭を七文か九文の計り売りして、それで大きい身代を作りあげたのは事実で、現にその....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
さねえでも炭はハアえらく有りやす」 善「何処に有るんだ」 多「へい、私十年の間|
粉炭を拾い集め、明き俵へむやみに詰め込んで、拝借致しやした大い明き納屋へ沢山打積....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
ニッシュ罐で、簡単な装置で、充分に熱瓦斯を利用するため、水管が焔室の中に下垂し、
粉炭を使用するので、焚口は小さく、二重に火格子を持つ特殊な構造になっているので、....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
けておいてくださいよ。火もちがちがいますからねえ」
「火もちがちがいますよ」
「
粉炭は、便利ですから、いつもの笊《ざる》へあつめといてくださいよ」
「こな炭は、....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
たわい」 「怖いなあ、電気炬燵は怖いなあ」 「そんな電気炬燵じゃない。父さん式、
粉炭こっぽり入れて、ほこほこしたの入れたげようね」 紙屑を集め、マッチを擦って....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
ますが語原は審でありません。糸編みの品で、煙管入や燧石袋や、これに煙草入や火口の
粉炭入など一式揃っているものでありますが、面白いことにこれには必ず強く撚った糸の....