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「粉薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粉薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
「トラ。(悲劇《トラジディ》の略)」 と堀木が言下に答えます。 「薬は?」 「粉薬かい? 丸薬かい?」 「注射」 「トラ」 「そうかな? ホルモン注射もあるし....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
のだ。『ええ、そうですわ』と遂に君江は答えた。そこで私は云った。『煙草にあの白い粉薬を載せて火を点ける。それでいいのだろう』君江は黙って肯いた」 「そりゃ、どう....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
挺の手斧を持ち、一つの麻袋を腰につけて出かけるのである。麻袋の中には赭土色をした粉薬のようなものが貯えてあって、まず蛇の来る前路にその粉薬を一文字にふりまく。そ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、象牙の箆、鹿の鞣し革、鵠毛の刷毛、鋭い鉄針、真鍮の輪、それと並べて大小の箱が、粉薬水薬を一杯に満たせ、整然として置かれてある。 「おいでなさりませ陶器師様」優....
B教授の死」より 著者:寺田寅彦
の扁平なピストルが斜めに横たわり、そのわきの水飲みコップの、底にも器壁にも、白い粉薬らしいものがべとべとに着いているのが目についた。 まもなく刑事と警察医らし....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
いろの薬を取り出した。薬研に入れて粉に砕いた。幾度も幾度も調合した。黄色い沢山の粉薬が出来た。棚から黄袋を取り出した。それへ薬を一杯に詰めた。五合余りも詰めたろ....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
総司は体を開くようにした。 二人は部屋へ這入った。夜具が敷かれてあり、枕元に、粉薬だの煎薬などが置いてあるのを見ると、女は、ちょっと眉をひそめたが、総司が、そ....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
承知して、ええ、そんな薬があるならば飲みましょうと言うと、市野さんは袂から小さい粉薬の壜を出して、これは秘密の薬だから決して人に見せてはいけない、飲んでしまった....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
「それはそうと、ねえお前さん」 玄女は猪右衛門へ話しかけた。 「例の恐ろしい粉薬だが、どこからお前さん手に入れたのさ?」 9 「あああいつか」とニヤニヤ笑い....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
様な事があるものか。正しく物中で、直きに治る。さ、さ、この薬を一服」 何やら、粉薬を出して、苦しむ智栄尼の口中に割り込んだ。 しかし、その薬を服んでからは一....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
では楽にしてあげますよ。」と宮本氏は子供にでも言って聞かすような調子で言って何か粉薬を服用させた。それもガラス管で水を吸い上げるようにして飲んだのであった。 ....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
を侵されているということだった。 医者が帰ったあとで、道子は薬を貰いに行った。粉薬と水薬をくれたが、随分はやらぬ医者らしく、粉薬など粉がコチコチに乾いて、ベッ....
人狼」より 著者:岡本綺堂
プを取り、それに桶の水を汲み入れて持ち来れば、モウロはポケットより紙につつみたる粉薬をとり出す。) モウロ あなた、弱ってはいけません。ここによい薬があります。....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
かった。今の白子屋にその金のあろう筈はなかった。 思案に行き詰まったお常は、或粉薬を飯にまぜて又四郎を鼠のように殺そうとしたが、飯炊の長助に妨げられて成功しな....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
」 かぢ「おう/\大層黒血が流れる、私の宅はツイ一軒|隔いて隣だが、直に癒る宜い粉薬が他処から貰って来てあるから宅へおいで」 と無理やりに連れてまいりまして、....