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「粉飾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粉飾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金将軍」より 著者:芥川竜之介
の最期である。行長は勿論征韓の役《えき》の陣中には命を落さなかった。しかし歴史を粉飾《ふんしょく》するのは必ずしも朝鮮ばかりではない。日本もまた小児《しょうに》....
或る女」より 著者:有島武郎
けが、そしておそらくは(自分では見えないけれども)これほどの忙しさの間にも自分を粉飾するのを忘れずにいる葉子自身がいかにも浮薄なたよりないものだった。葉子はこう....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
つの屍体が、完全な死蝋に作られていて、それに、院長が繧繝彩色と呼んでいる、奇怪な粉飾が施されているのです。幹枝は膨んだ腹をそのままに作り、他の二人には冥界の獄卒....
島原心中」より 著者:菊池寛
れた彼女は――息が絶えると同時に、物自体のように取り扱われ、身に付けていた最後の粉飾物を、生前彼女を苦しめ抜いた楼主に奪われなければならぬかと思うと、彼女の薄命....
惜別」より 著者:太宰治
ん多くやって来て、口々に絶讃するのですが、僕たちから見ると、あの風景には、生活の粉飾が多すぎて感心しません。人間の歴史の粉飾、と言ったらいいでしょうか。西湖など....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
う》の類型の標本を見学するには、こうした一様なユニフォームを着けた、そうしてまだ粉飾や媚態《びたい》によって自然を隠蔽《いんぺい》しない生地《きじ》の相貌《そう....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、敬虔な一個の女性としてのバーグレーヴ夫人が、この事実談を一つの荒唐無稽な物語に粉飾するような婦人でないことを信じているのである。 私がこの事実談をここに引用....
白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
を食べた他の人々には少しも別条がなかった。以上がすべての臆説を排除し、出来るだけ粉飾を加えないで述べた事件の骨子だ。今度は警察がこの事件をどう取扱ってるか、その....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
世代の日本文学も暗澹たるものである。近代文学の世代論と、山際らの世代論と、文章や粉飾に差はあっても、世代論そのものの愚かさには何ら変りがない。両者は相棒であり、....
雪の宿り」より 著者:神西清
俺の見たものは何か。驚くべき頽廃堕落だ。でなければ見事きわまる賢哲保身だ。それを粉飾せんが為の高踏廻避と、それを糊塗せんが為の詩禅一致だ。済世の気魄など薬にした....
科学的新聞記者」より 著者:桐生悠々
的説明から、現在の社会問題を解決する必要なる態度を学び、そのユーモアまたは精神を粉飾せんとした離ればなれの書を嘲笑するに至るだろう。 宇宙を語り、そしてこれを....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
の開拓者の一人です。つまり、人間は自然にかえらなければいけない、人間のいろいろな粉飾というものを去って自然にかえらなければいけない、一口にいうとそんな倫理を説い....
いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
のなかにもそれが現われている。手軽で陽気な自虐自嘲は、しばしば武器なき民衆の知的粉飾とさえみられるものである。 この「日本人的反省」の型は、あたかも時流に投じ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
のは私一人だったろう。だが仮装といえばいえるであろう。素面といえば素面であろう。粉飾するのみが仮装ではないのである。 壊れバケツに金紙の両眼を貼り、金の髭をつ....
日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
張その言論は、神道や国学や儒教やの思想から継承せられたものが主になってい、それを粉飾するためにヨウロッパのいろいろの思想や用語の利用せられた場合もあるが、その利....