粋人[語句情報] » 粋人

「粋人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粋人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
服装に就いて」より 著者:太宰治
動機からでもなかった。私が、その一年生の冬季休暇に、東京へ遊びに来て、一夜、その粋人の服装でもって、おでんやの縄のれんを、ぱっとはじいた。こう姉さん、熱いところ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
「なかなか凝ってらあね。三味線の古糸で雪駄の鼻緒をすげるなんて、色修業でもした粋人でなくちゃできねえ隠し芸だよ。さっき、そこのそでがきの陰で聞いていたら、おめ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と法水を嗜めるように見た。「どうも、君の説は世紀児的だ。自然と平凡を嫌っている。粋人的な技巧には、けっして真性も良識もないのだ。現に、先刻も君は夢のような擬音で....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ない。諏訪家の姫を孕ませて絵にあるような美男の殿御勝頼様を産ませるような、そんな粋人には見えないのであった。 さすがは名家威厳はある。それも鬱々たる威厳であっ....
面白き二個の広告」より 著者:堺利彦
、しかも地合光沢等すべて一見|毫も劣らず」とて、「ゆえに官吏学生はもちろん、紳士粋人方が楽着用として実に徳用他に比なし」と言えり。少なからざる広告料を投じてかく....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
(陸前) 新可笑記、四十七歳 赤い太鼓 (京) 本朝|桜陰比事、四十八歳粋人 (浪花) 世間胸算用、五十一歳 遊興戒 (江戸) 西鶴置土産、五十二....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
民と見られていても当然の事として少しも怪まなかった。加うるに持って生れた通人病や粋人癖から求めて社会から遠ざかって、浮世を茶にしてシャレに送るのを高しとする風が....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ぶみをした事のあるのを、最も古くから、お誓を贔屓の年配者、あたまのきれいに兀げた粋人が知っている。梅水の主人夫婦も、座興のように話をする。ゆらの戸の歌ではなけれ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
人形のような顔。それに時が爪をかけはじめたのだ。ざまをみるがいゝ。滑稽だ。残忍な粋人の感情だ。妻に侮辱と嘲笑とに価する特色を発見出来るようになって始めて惻々たる....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
春水は勿論、その弟子の金水あたりの物が好いと思った。そこで田舎に居ながら、江戸の粋人の生活も聊か知る事が出来た。今日鳴雪が時々昔の江戸の粋人の事などをいうも、つ....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
たものであって、相手が友人として適当だというわけではなかった。彼の遠縁で、有名な粋人であるリチャード・エンフィールド氏との友情も、むろんそうして出来たものだった....
失策記」より 著者:豊島与志雄
、伯父の家を訪ねていった。 ひどく謹厳な老人で、酔えば仕舞の一手も踊ろうという粋人だが、ふだんは茶の間の長火鉢の前でも膝をくずさず、十徳姿で短い白髯をなでてい....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
んは相談ずくの商売女しか御存知ないから、それに田代さんは通人、いわゆる花柳地型の粋人だから、ずいぶん浮気性だけれども、愛人が厭だといい抵抗するのを暴行強姦するな....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
しまったのである。田舎通人、神仏混合、花廼屋因果といえば、人力車夫や女中などには粋人中の粋人とありがたがられて、身にあまる人気を博するに至った。 この男がまた....
芸術の人間学的考察」より 著者:中井正一
ー・ベッカーが「直観的空間のアプリオリ的構造」なる論文において、空間の次元性を純粋人間的物理学の上に構成した。かかる試みは芸術にとっては、まことに貴重である。こ....