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粗々
「粗々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗々の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
儀は心得た、という顔で、 (後で閉めたんでございますがね、三輪ちゃん、お才はんが
粗々かしく、はあ、) と私達を見て莞爾しながら、 (駆出して行きなすった、直き....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
って、とてもすばらしい黒熊の毛皮がその形なりにぶら下っていた。その黒い黄の交った
粗々しい毛並には雨霧が降っかかり、内側の白い皮までがすべすべと冷えきって何か無気....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
た」 久「やア多助さんか、今日ばかりは私が先きだと思ったのだが、負けやした、私は
粗々かしいから宜く物を忘れるのだよ、今日も樽を買った家へ手拭を忘れたものだから取....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
顔の輪郭は、人の不幸を同情なしに見ることに馴れている人たちのそれのように、硬くて
粗々しかった。声の調子もまったくの冷淡さを表わしており、英語で私に話しかけたが、....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
父親のような心の弱い罪人たちを脅やかしているように思われた。で、この白熊が自分を
粗々しくなでまわしたり、怖ろしさで気が遠くなりそうな汚らわしい抱擁をするような時....
「小波瀾」より 著者:神西清
に物語っていた。彼はぶるぶると身顫いがとまらないで、吃ったり泣いたりした。こんな
粗々しい仕方で嘘と顔を突き合わせたのは生まれてはじめてであった。甘い梨や、パイや....
「マリ・デル」より 著者:神西清
いることだけであった。 ふと、歌姫はぎょっとして眼を大きく見開いた。玄関で急に
粗々しいベルの音がしたのである。十秒もたたぬうちに第二のベルが鳴り、また第三のベ....
「巌流島」より 著者:直木三十五
。小次郎と武蔵の立合なんかより遥かに余裕あって勢源は勝った。従って十五六にして「
粗々《ほぼ》技能有《ぎのうあり》」と伝えられている位、師に対抗出来た小次郎は立派....