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粗忽
「粗忽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗忽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
あざむ》かれ、それから合羽《かっぱ》に傘《かさ》をかざした平太郎の姿に欺かれて、
粗忽《そこつ》にもこの老人を甚太夫と誤って殺したのであった。
平太郎には当時十....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
した。ある日その「三太」が「青ペン」のお上《かみ》の一張羅《いっちょうら》の上へ
粗忽《そそう》をしたのです。ところが「青ペン」のお上と言うのは元来猫が嫌いだった....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ばら》を仕《つかまつ》れば、すむ事でございまする。私《わたくし》一人《ひとり》の
粗忽《そこつ》にして、きっと御登城おさせ申しましょう。」
これを聞くと、修理の....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
らし》の下等なので。
(やあ、人参《にんじん》と干瓢《かんぴょう》ばかりだ。)と
粗忽《そそ》ッかしく絶叫《ぜっきょう》した。私の顔を見て旅僧は耐《こら》え兼ねた....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
のかわるところもない。いや予て知っていながら、うっかりやっちまっただけに、自分の
粗忽加減に只呆れるより外なかった。 「指紋を滅茶滅茶にしてしまって、どうも残念で....
「赤外線男」より 著者:海野十三
か」 熊岡警官は、隅田乙吉について現場へ出張することを命ぜられた。 どうも、
粗忽にも程があるというものだ。いくら独り歩きをさせてある妹だからといって、顔面が....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
ている沢山の機関車の中でも、ま、偶然と言うんでしょうが、一番|轢殺事故をよく起す
粗忽屋でして、大正十二年に川崎で製作され、直に東海道線の貨物列車用として運転に就....
「獄中記」より 著者:大杉栄
立てた事件の簡単な事実だ。 そして翌朝になって、警部が出て来てしきりにゆうべの
粗忽を謝まって、「どうぞ黙って帰ってくれ」と朝飯まで御馳走して置きながら、いざ帰....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
もか。己れもやっぱりお前と同じ先祖はアダムだよ」とか何とか云って見ろ。己れだって
粗忽な真似はし無えで、兄弟とか相棒とか云って、皮のひんむける位えにゃ手でも握って....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
無三宝。」と慌しく引込める。 「何んじゃそれは。」 「ははははは、拙者うまれつき
粗忽にいたして、よくものを落す処から、内の婆どのが計略で、手袋を、ソレ、ト左右糸....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
せんだって通掛りに見ました。聖、何とやらある故に、聖人と覚えました。いや、老人|
粗忽千万。」 と照れたようにその頭をびたり……といった爺様なのである。 ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
人もあるが、八犬士は皆文武の才があって智慮分別があり過ぎる。その中で道節が短気で
粗忽で一番人間味がある。一生定正を君父の仇と覘って二度も失敗なっている。里見の防....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
うな、すれば、大方、だろうぐらいに考えて風説をいたしますのを、一概にそうと心得て
粗忽千万な。 若いものではございませず、分別|盛を通り越していながら、と恐縮を....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
左の翼の端裏へ、刻印を切ろうとなすったんです。絵ならば落※しながら、(な、なんぞ
粗忽でも。)お師匠筋へ手をつくと、運八がしゃりしゃりと、袴の膝で詰寄って、(汝と....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
だ、君か、そこまで僕が送って行ってやろう」と云ったので門衛は大変に恐縮し、自分の
粗忽を詫びて二人を門の外へ出してくれました。するとその女は立ち止って彼の耳もとへ....