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粗悪
「粗悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
きっと偉い絵画きになるという、祝福の予言は、はずれました。 自分は、わずかに、
粗悪な雑誌の、無名の下手な漫画家になる事が出来ただけでした。 鎌倉の事件のため....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
やまたずっと後にティコ・ブラーヘに至ってもまだそう言っていたように、他の星よりも
粗悪な素材でできているなどというようなことはないという意見であった。レオナルドは....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
じゃありませんか。例えばヘロインとか……」 「ヘロインですって、ヘロインみたいな
粗悪なやつは私のところでは使っていませんよ」 「ではこの儘にして置きましょう。も....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なにになるか)、かまぼこも街には売っているが、うちにはない正月(高いだけではなく
粗悪で、とても買って来て届けられないと魚屋さんがいう)、汁粉屋だ中華料理だ酒だ何....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
り、選挙というものはバカバカしいものだ。 然し代議士に限らない。万事センデン、
粗悪品でも一応はセンデンでうれる。商業もそうであり、売薬、映画、化粧品、小説も御....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
がたくさん出てくれると国内競技でこれが見られるが、目下古橋一人であり、元々食物が
粗悪なところへ、戦争このかたの欠食状態であるから、馬力型の特級品が現れる可能性は....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
糸商人も悪いのが多かった。生糸貿易にかけては素人のフリをして、期限ぎれや、わざと
粗悪品をつかまされるように仕向けて、契約違反で訴えて、品物はタダ取りの罰金はモウ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
るのに骨が折れるのではないかとさんざんのお叱言、上餅は早く固くなるもので、陸稲の
粗悪な餅はいつまでもやわらかで伸びるものですが、安値な大福餅が夜になっても固くな....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
これで晒しますと雪を欺くような白砂糖になりますので、世間ではこの能力を悪用して、
粗悪品を優良品に見せかけようとすることが盛んに行われ、亜硫酸の需要は実に莫大な額....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ものの残屑一つない穢い街路から跳び立った。飢餓はパン屋の棚の少しばかり並べてある
粗悪なパンの小さな一塊ずつに書いてある文字であった。腸詰屋では売り出してある犬肉....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
れば、彼らの大部分は自信を喪失して次第に消散するであろう。すなわち、現在のごとき
粗悪な候補者どもを退治する唯一の道は、国民一般の政治教養を高め、もつて彼らの足場....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
て来たのであるが、震災以後それがまたいつか廃止されて、今日では薄っぺらな西洋紙に
粗悪な印刷を施した、見るからに安っぽいプログラム式の物になってしまった。進歩か退....
「美味い豆腐の話」より 著者:北大路魯山人
豆をすることは電動化して、製品はすべて機械的になってしまったのみならず、経済的に
粗悪な豆(満州大豆)を使うようになったりなどして、京都だからとて、美味い豆腐は食....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
スすなわちわが三十六銭。汽車に一等、二等ありて三等なきは、豪州の特色なり。車室は
粗悪にして、その二等はわが三等よりもあしし。十二時半出港。海上多少の風波ありて、....
「俗臭」より 著者:織田作之助
ダ側は、マツダランプ並の値で買取らされてしまった。放って置けば「マツダ電球」なる
粗悪品が流布し、マツダの信用にかゝわるという弱味だ。その時の儲けの幾何かを口銭と....