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粗相
「粗相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
雛妓《おしゃく》時代に、座敷の客と先輩の間に交される露骨な話に笑い過ぎて畳の上に
粗相をしてしまい、座が立てなくなって泣き出してしまったことから始めて、囲いもの時....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
もその話を聴いて吐胸《とむね》をついた。まだ新参の身、殊に年のゆかない妹がこんな
粗相《そそう》をしでかしては、主人におめおめと顔を向けられまい。時の災難とはいい....
「赤外線男」より 著者:海野十三
く廊下へ飛び出した。もうこれ以上我慢をすると、女の身にとって顔から火の出るような
粗相を演ずることになる。彼女は極度に狼狽していたのだ。暗い廊下の向うを見ると、嬉....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
、十七八歳、頼家の太刀をささげて出づ。) 僧 これ、これ、将軍家のおしのびじゃ。
粗相があってはなりませぬぞ。 (楓ははッと平伏す。頼家主従すすみ入れば、夜叉王も....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
て続く)小父さん、小父さん、どうなすった……どうなさるんです。おいくさん、お前|
粗相をしやしないかい。 七左 (呵々と笑う)はッはッはッ。慌てまい。うろたえまい....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
不便さ。決して私は明さんに、在所を知らせず隠れていたのに、つい膝許の稚いものが、
粗相で手毬を流したのが悪縁となりました。 彼方も私も身を苦しめ、心を傷めており....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、これを持つまで、多一さんを思やはった、婦同士や、察せいでか。――袂にあったら、
粗相して落すとならん。憂慮なやろさかい、私がこうするよって、大事ないえ。」 と....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
小鳥の鳴き声で掩われてしまったように賑やかになった。 二 客の一人がふとした
粗相でラザルスの顔のベールをはずした途端に、あっと声を立てて、今まで彼に感じてい....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
いい職業をえらぶことにして、諸方の鰻屋に奉公していたのでしょう。片眼を潰したのは
粗相でなく、自分の人相を変えるつもりであったろうと察せられます。おそらく鰻の眼を....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
を言った。 「わたしの牛は今まで一度もお客を落したことはねえのに、どうしてこんな
粗相を仕出かしたのか。まあ、どうぞ勘弁しておくんなせえ。」 お杉は罪ほろぼしの....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
て、男の子供たちが泥だらけの草鞋をほうりながら横町で蝙蝠を追いまわしていました。
粗相か悪戯か、時どきにその草鞋がわたくし共の顔へも飛んで来ますので、わたくしはな....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
遣らないのだ。唯った一人の妹を殺されて、黙っている奴があるものか。 中二 でも、
粗相で死んだのですからね。誰が悪いと云うわけでもない。今もいう通り、これも拠ろな....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
って無理に諦めるより外はあるまいよ。 源五郎 おいよさんはあの通りの貞女だから、
粗相とわかれば何で亭主を恨むものか。 弥三郎 いや、恨まれても仕方がない。(死骸....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
め難いことは、我も人も熟く承知している所である。この大切な品がどんな手落で、遺失
粗相などがあるまいものでもないという迷信を生じた。先ず先生から受取った原稿は、こ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
のが本当だろう。僕も、今日以後は、念には念を入れて、苟もしないと言う方針を取り、
粗相だの、不注意だのということは、薬にしたくも無い様にしよう、折角出て貰って、こ....