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「粗茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粗茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ります。では、道中急ぎまするゆえ、御ゆるりと――」 「うんうん、左様左様、手製の粗茶なと参らすとよろしいが、もう御出かけかな。では、遠路のことゆえ、御身も道中堅....
丹下左膳」より 著者:林不忘
人じゃ。粗相があってはならぬぞ。お座蒲団を持て。誰かある、お茶を――」 「はッ、粗茶ながら、ひとつお口湿《くちしめ》しを……」 と急に、下へもおかぬもてなし。....
悪魔祈祷書」より 著者:夢野久作
ますナ。だんだん呼吸をおぼえて来ると面白い事もチョイチョイ御座いますナ。ヘエ……粗茶で御座いますが一服いかが様で……ドウゾごゆっくり……。 コンナに降りますと....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
認識して頂かねば、僕は帰れません。そもそも赤見沢博士の重大性なるものは……」 「粗茶《そちゃ》ですが、どうぞ」 少女の給仕が茶を入れて持って来て、臼井の前に置....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
が、何彼《なにか》と万端御意を得度く候間、明朝御馬を寄せられ候わば本望たる可く、粗茶進上|仕度《つかまりたく》候、という慇懃《いんぎん》なものであった。日頃懇意....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の中を出ることにしました。 再び門前の店へ戻って、 「まあお休みあそばしませ、粗茶一つ、召上っていらせられませ」 駒井は老婆の案内に応じて、土間の長い腰掛に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
申すも、この通り夜分の儀でござる故、ともあれ、こちらへお越しあって拙者が控えで、粗茶など一つ召上られてはいかがでござるな」 「それは千万かたじけない、然《しか》....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
恩讐の彼方に、という甘い友情に飢えていたのである。 長年の仇敵がすべてを忘れて粗茶をくみ交し、四方山話にひたる。いかにも世捨人の慾のない交情を空想しているよう....
この握りめし」より 著者:岸田国士
たちよいちよい、それこそ、個人の資格で遊びに来てください。時々は退屈してるから、粗茶でも差し上げましよう」 この野郎、人をからかやがると、一瞬、相手をにらみつ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
こし恥かしくなったのです。 「ようこそ、御|入来下さいました。何はなくとも雪中の粗茶一服。さあ、どうぞ、これからおいでなされませ」 利休は、腰から扇子を抜き取....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れだけでござるか」 「それから――かように大殿のおことばでございました。せめて、粗茶の一ぷくなりとさし上げたいのですが、家中武骨者ぞろいで、心ききたる者はいず、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
それに道とてもこの麓のお通りがかり、何も、おもてなしはござりませぬが柴の門べで、粗茶一ぷく、さし上げたいと父が申しまする。そのためお迎えに参じましたので――」 ....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
の書きようがないという人が多かった。それでも大騒ぎしてどうやら入札が終った。 「粗茶を差上げますから、御一同様がた、どうぞこちらへ」と来客を食堂へ案内した。 ....