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「粗衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粗衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乞食学生」より 著者:太宰治
く世の姿 ああ移り行く世の姿 塵をかぶりて 若人の 帽子《かむり》は古び粗衣は裂け 長剣《つるぎ》は錆《さび》を こうむりて したたる光 今....
新生」より 著者:島崎藤村
道院に自分の部屋を譬《たと》えて見たこともある。先《ま》ず自己の墓を築いて置いて粗衣粗食で激しく労働しつつ無言の行をやるというあの修道院の内の僧侶《ぼうさん》達....
弟子」より 著者:中島敦
った風な特別な条件が絶対に必要である。それが出来ないなら、むしろ、「褐《かつ》(粗衣《そい》)を被《き》て玉を懐《いだ》く」という生き方が好ましい。生涯《しょう....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
に抗せんがために生きる。……それ故に、彼は恐れを知らぬ不屈不撓の人間である。彼は粗衣粗食に甘んじる。他に考えることがあるからである。心は貧しいが、意思は偉大で勇....
新女大学」より 著者:福沢諭吉
て自然に身体の発育を妨ぐるの弊《へい》あり。大なる心得違なり。小児遊戯の年齢には粗衣粗服、破れても汚れても苦しからぬものを着せて、唯活溌の運動を祈る可し。又食物....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
き場所において一店の主となることが出来たものである。それゆえ年期中は給与もなく、粗衣粗食、朝は早く起き夜は遅く寝て、いわゆる奉公人の分に甘んじ、じつにいじらしい....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
に学問すべし。農たらば大農となれ、商たらば大商となれ。学者小安に安んずるなかれ。粗衣粗食、寒暑を憚《はばか》らず、米も搗《つ》くべし、薪も割るべし。学問は米を搗....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
るべし。寺の僧侶が毎朝《まいちょう》早起《そうき》、経《きょう》を誦《しょう》し粗衣粗食して寒暑の苦しみをも憚《はばか》らざれば、その事は直ちに世の利害に関係せ....
三国志」より 著者:吉川英治
相成ろう。……これは曹操が、君の芳魂をつつんでもらいたいため、わざわざ携えてきた粗衣に過ぎんが、どうか旅衣として、雨露のしのぎに着てもらいたい。これくらいのこと....
べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
まことに、吾儘らしい申し出でござるが――」 「はい」 「われら、永年の浪人暮し、粗衣粗食に馴れて参ったせいか、御当家より朝夕頂戴いたしおります二汁五菜のお料理は....
」より 著者:吉川英治
において、彼はこう極めている。 (世の中は、生きてゆく。殖えてゆく、進んでゆく。粗衣粗食の御節約も結構だが、絶対に、消極策というものは、どんな飢饉の地でも適合し....