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粘り強い
「粘り強い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粘り強いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
てて伏せながら、
「あの男はお前、ばかにしてかかっているが、話を聞いていると妙に
粘り強い所があるぞ。ばかもあのくらいまっすぐにばかだと油断のできないものなのだ。....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
いう男だけには、何かかなわないという気持があったからであろう。何かジリジリとした
粘り強い迫力に、みこまれているようだった。だから肩を掴んだ背後の男を、章三だと…....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
のページをまくる。そして自分の心持ちをひときわ謙遜な、そして執着の強いものにし、
粘り強い根気でどうかして山をそのまま君の画帖の中に生かし込もうとする、新たな努力....
「冬日記」より 著者:原民喜
れ易《やす》いものをそっと内に抱《いだ》いているようなところがあり、それでいて、
粘り強い意志を研《と》ぎ澄ましている人のようだった。……いつも周囲には獣のような....
「芝刈り」より 著者:寺田寅彦
生長する。無心な子供に踏みあらされても、きびしい氷点下の寒さにさらされても、この
粘り強い生命の根はしっかりと互いにからみ合って、母なる土の胸にしがみついている。....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
最高潮に達した時期であった。明治のロマンティック時代から作家生活を辿って来たこの
粘り強い小説家が、云って見れば彼をもその波の下に置こうとするような時代の激しさに....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
込んだらしかった。 「まあ、よかった。」 私は口のなかでそういった。そしてあの
粘り強い生命の力さえ失わなかったら、ちっとやそっとの傷はあっても、それはすぐに癒....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
研究機関を設置しただけでは遂げられると保証の出来ない仕事である。ただ冷静で気永く
粘り強い学者のために将来役に立つような資料を永続的系統的に供給することの出来るよ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
。三学期に新しい国語の教師をむかえた。女の独身の情熱家であった。私は彼女の浅黒い
粘り強い皮膚に異様な魅力を感じた。彼女は頭髪を一まとめにして後で束ね、眉間にいつ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
にたたき上げて得た勇気と、胆力と、沈着とによって、人びとの信用の的となっている、
粘り強い、磊落な船員の標本の一人であった。彼は愚にもつかない話に乗るような男では....
「鬼」より 著者:織田作之助
ているのではないだろうかと、思われる節がないではなかった。 彼が風変りな題材と
粘り強い達者な話術を持って若くして文壇へ出た時、私は彼の逞しい才能にひそかに期待....
「明暗」より 著者:岡本かの子
。闇に住む人間と明るみに住む人間との矛盾と反撥、そしてその矛盾や反撥には愛という
粘り強い糸が縦横に絡んでいるだけに一層仕末が悪いことである。智子はこういうときに....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
とっているのです。――それを誰かといえば、あなた様にもお心当りがございましょう、
粘り強い悪智をもった旅川周馬という男を……」 「ウウム、旅川周馬？」 こう口の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
手の触感でも、それはあきらかに柔らかく温い女の手だと知れる、だが女にしてはなんと
粘り強い指の力だ。 「ちッ、畜生ッ……」と目明し万吉、腕が抜けるか離すかとばかり....
「魚紋」より 著者:吉川英治
の収益も尠くない。そしてお可久様を張りに来ている連中も、だんだん篩にかけられて、
粘り強い者だけが、今では、碁盤の外の勝敗に鎬を削っているのであった。 浮世絵師....