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粘液質
「粘液質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粘液質の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いるらしい、異様に病的な光もあった。総体として彼女には、黒死館人特有の、妙に暗い
粘液質的なところはなかったのである。しかし、三日にわたって絶望と闘い凄惨な苦悩を....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
ンのバーマンは、イラン戦士の普通とは逆な鉾の持ち方で、すぐルスタムと知った。彼は
粘液質な顔に、激しい動乱の色を浮べ、フーマンのところに駆せつけた。フーマンもこの....
「伸子」より 著者:宮本百合子
で目鼻立の粗い、恐らくは口中が臭そうな容貌、又は、頬から口の辺にかけて肉の薄い、
粘液質らしいすべすべした皮膚の持ち主。――ちょっとした脚の置き方や、椅子のもたれ....
「笑い」より 著者:寺田寅彦
どの区別が、力学の場合の「粘性」や「摩擦」に相当する生理的因子の存在を思わせる。
粘液質などという言葉が何かの啓示のように耳にひびく。あるいは笑いの断続の「週期」....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
が細川ちか子のアンナです。カレーニンを滝沢がやっている。性格をちっともあの冷たい
粘液質においてつかんでいない。演出は良吉。壺さん夫妻、いね、私、かえりには泉子さ....
「常識」より 著者:豊島与志雄
をやってきた。真剣なのは平野だけだったかも知れない。ああいう男との享楽には、或る
粘液質な繋がりや滓を残すと私が恐れたのは、そのところを指すのである。情意と肉体と....